日医ニュース 第978号(平成14年6月5日)

日医・日精協共同記者会見開く
法案の早期成立を要望


 西島英利常任理事,仙波恒雄日精協会長・長尾卓夫同副会長は,五月十四日,厚生労働省で記者会見し,「心神喪失等の状態で重大な他害行為を行った者の医療及び観察等に関する法律案」の今国会成立を強く訴えた.
 西島常任理事は,まず,「日医は,重大な犯罪を犯した精神障害者に対する法整備の必要性を以前から主張してきていたが,関係団体の思惑もあり先送りされていた.ところが,昨年六月に起きた児童殺傷事件を契機として,政府も本格的に法整備に向けた動きを始めたことから,日医でも,昨年の八月,『触法精神障害者問題検討委員会(プロジェクト)』を発足させ,本年二月に中間報告を取りまとめたところである」とこれまでの経緯を説明.本法案に対しては,「さまざまな課題は残されているが,本法案が今国会で成立し,患者さんが安心して医療を受けられる環境整備が進むことを強く望んでいる」と述べた.
 また,再犯のおそれを精神科医が予測できないという理由で,一部の団体が本法案の成立に反対していることに関しては,「医師に求められているものは,(1)対象者が精神障害者であるか否か(2)今後対象者が治療を受けなければ,どのような症状が続き,あるいは発現するか(3)人の生命,身体等に危険を生じさせる行動を含む問題行動に出ることがあり得るか―についての判断である.このような判断は現代の医学により十分に可能であり,現状においても行われている」と反論した.
 一方,仙波日精協会長も,(1)わが国の司法精神医学の確立が期待される(2)精神医療全体の質的向上に資するとともに国民の精神障害者に対する社会の不安を軽減し精神障害者に対する誤解や偏見の軽減に繋がる―などの理由から本法案への積極的支持を表明した.


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