日医ニュース 第981号(平成14年7月20日)

会員の窓

 会員の皆さまの強い要望により,投稿欄「会員の窓」を設けました.意見・提案などをご応募ください.

子どもたちにも生命倫理教育を!!
伊藤春夫(愛知県・名古屋市支部)

 名古屋市の中学生の五千万円恐喝事件,また,豊川での刺殺事件では殺人の経験がしたいという.さらに,つい最近,中学生四人組による暴行殺人が報道されて世間を騒がせている.非行の前にどうして理性が働かなかったか,そのための抑止力を培うためにも,今こそ,倫理の問題を授業に組み入れる時と考える.
 これは教育改革国民会議,また,今回の二十一世紀教育新生プランでも,小学生に道徳,中学生に人間科,高校生に人生科を設け,「死とは何か,生とは何か」を含め,人間として生きていくうえでの基本理念を植え付けることが肝要といっている.
 私が学校で講義した感じでは子どもたちのじっくりと聞き入る態度をみる時,また,この四月から学校独自の授業が始まる機会に,子どもたちに生命倫理の関心を高めて底辺を広げることが,結果的に青少年の非行・暴力を抑えることに通じるもので,皆(有識者)がこの運動に参加することを切望している.

複数枚にわたるレセプトの取り扱いについて
高橋 徳(大阪府・高槻市医師会)

 今回の診療報酬改定については,公称の引き下げ幅よりも実質下げ幅が大きいことが深刻な問題ではあるが,それに劣らず請求事務が煩雑化することが大変悩ましい.
 レセプト記載上の二百五円ルールがはずれたことにより,病名の追加個数が増えることが予想され,また,数種類の散剤を組み合わせた調剤を複数使用する場合などを想定すると,病名欄,摘要欄の印字行数の増加により,一患者さん当たりのレセプト枚数の増加は確実である.主病名の指定という厄介な作業が今回加わったが,従来一行に複数の病名を詰め込んで印字していた場合でも,主病名は一行に一つの原則に変更になったために印字行数はやはり増える.
 レセプトが複数枚になった場合について,従来は都道府県によって対応が異なり,二枚目以後を小さく切り抜いたものを短冊状にしてパタパタと畳み込んで貼り合わさせるところもある.地方によって長さはまちまちのようだが,二・六センチメートルから五センチメートルの幅に下端を切り落とす方法が指定されている場合もあるそうだ.
 いずれにしても,複数枚の件数が増えればつまらない手間が大幅に増えるし,他府県への請求での混乱は避けられない.二枚目以後の下の隅を三角に切り取るなどの簡便な方法で,全国的に統一できないものだろうか.日医のご尽力に期待したい.

高齢者の大会でもあったのか?
福田光之(秋田県・秋田市医師会)

 日医代議員会の初日,会長選挙も終わり,代議員が一斉に帰路につき,私もそのなかに混じって駅に急いだ.が,見回すと周りは高齢の方々ばかりで異様な雰囲気.私など相対的に超若年であった.近所の住民も,「今日は日医会館で高齢者大会があったらしい.高齢者の医療も今後大変になるというからなァ」といぶかったことであろう.
 代議員は都道府県の各医師会から会員数に応じ二〜三十八名が選出され,総数三百三十八人である.その年齢分布をみると,七十歳代が百二十九人(三八・二%),六十歳代が百七十三人(五一・三%),六十歳未満が三十四人(一〇・一%)で五十歳以下はわずかに一名(秋田県)である.女性も一人(秋田県)のみであった.各都道府県ごとの代議員の平均年齢は五八・五歳(秋田県)から七三・二歳に分布し,七十歳以上が七都道府県もあった.代議員のうち勤務医数は二年前は二十一名であったが,恐らく今回もそれほど変わっていないだろう.秋田県の代議員は四名中二名が勤務医である.
 医師会員は二十代後半から八十歳代まで広く分布し,女性医師も一四%と急速に増えている.勤務医会員も半数近くにのぼり,地域医療のためには病院問題も積極的に論じなければならない.厳しい医療情勢を迎えつつある時代に,このような代議員の組成の元で,会員の意見が日医に十分伝わるのであろうか.私には疑問に思う.若手医師の日医批判がやかましい.

新米女性県医師会理事誕生
秋葉則子(千葉県・八千代市医師会)

 平成十四年三月十日,千葉県医師会代議員総会において次期県医師会理事に推挙され,四月から県医師会理事会に出席しております.
 四名の新理事が加わって新年度がスタートいたしました.先輩の女性の先生から,これからいろいろ指名されることがあるでしょう.その時には,「ハイ,やってみます」とすすんで引き受けなさい,といわれていました.確かに,ここ数年,「女性のための」「女性医師による」等々頭に女性のつく仕事の依頼が多くなってきています.
 世の中も女性医師の必要性を認めて意見を求められたり,即,実行に移る事業も増えています.
 そんななかで,県医師会理事という仕事を与えてくださった地区医師会の先生方や県医師会長はじめ各理事の先生方に感謝し,まずは体を動かして見ようと思っています.
 私に与えられた担当は「公衆衛生」です.市町村,学校等四月の新年度スタートに際し,すぐに必要な事業が山積みで,理事会初日から机の上には書類の山,山,そのうえ県庁職員が面談予定で別部屋に待っているという.県医師会職員に案内されてあっちへこっちへ動き回りました.家に帰るとFAXがどんどん送られてきて,会議の予定がカレンダーを埋めていきます.
 前担当理事の先生から今期の事業計画書を引き継ぎ,改めてこの仕事の重大さ,責任の重さを感じました.健康教育の項目でエイズ,結核,薬物乱用等学校保健部との連携で啓蒙活動を積極的に押し進めて「健康」の大切さを教育の場で子どもたちに知って もらいたいと考えています.
 始まったばかりのこの仕事にまだ自分の目線が定まっていませんが,動き出してしまった今,女性で初めての理事という立場での意見を言葉に出して,また行動で示すことができればと思っています.ひそかに自分の心に,「フレ!フレ!がんばれ!!」と気合いを入れています.よろしくお願いします.


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