日医ニュース 第999号(平成15年4月20日)

視点

禁煙日医宣言七カ条

 三月三十日に開催された第百八回日医代議員会において,禁煙推進に関する日本医師会宣言(禁煙日医宣言)七カ条が議決された.
 日医では,平成十二年から,次の禁煙推進活動を行ってきた.
 平成十二年六月に「日医会員の喫煙行動と喫煙に関する調査」を実施し,その結果を日医雑誌に発表.日医提供のTV番組「からだ元気科」に坪井栄孝会長が禁煙活動についてシリーズで出演.日本で初めての全国規模の禁煙CMのテレビ放映.日医ニュース折り込みの「健康ぷらざ」に禁煙問題を取り上げ,ポスターとして病院,診療所で掲示.平成十三年度に各分野の専門家からなる「禁煙推進委員会(プロジェクト)」を発足.平成十三年七月から日医会館の全館禁煙を実施.平成十四年二月には,坪井会長が監修・出演した日本対がん協会作成の中学生向け禁煙啓発ビデオ「肺がんに禁煙キック!」を全国の中学校,約一万二千校に贈呈.市民公開フォーラム「子どもとたばこ」を開催し,その模様を世界禁煙デーの五月三十一日にNHK教育テレビ「金曜フォーラム」で放映.イギリス医師会のなかにあるタバココントロールリソースセンターが発行した「医師とたばこ」に「医師・医師会はいま何をなすべきか」の副題をつけて翻訳本を作成し,全国の医師会,大学,各種団体などに配布.
 以上のような禁煙推進活動を展開しているなかで,平成十四年十月の第百七回日医臨時代議員会において,日医が禁煙宣言をすべきであるとの提案があり,今回の第百八回日医定例代議員会において議決された.
 その前文には,「喫煙は,がん・心臓病・肺気腫等の疾病の原因となるなど健康に悪影響を与えることが医学的に分かっている.また,受動喫煙についても健康被害があるとの研究結果が報告されている.日本医師会は,国民の健康を守るために,喫煙大国からの脱却をめざして,今後とも禁煙推進に向けて積極的に取り組んでいくこととし,ここに禁煙日医宣言を行う」とある.

 禁煙日医宣言七カ条

一,我々は,医師及び医療関係者の禁煙を推進する.
二,我々は,全国の病院・診療所及び医師会館の全館禁煙を推進する.
三,我々は,医学生に対するたばこと健康についての教育をより一層充実させる.
四,我々は,たばこの健康に及ぼす悪影響について,正しい知識を国民に普及啓発する.特に妊婦,未成年者に対しての喫煙防止を推進する.
五,我々は,あらゆる受動喫煙による健康被害から非喫煙者を守る.
六,我々は,たばこに依存性があることを踏まえて,禁煙希望者に対する医学的支援のより一層の充実を図る.
七,我々は,禁煙を推進するための諸施策について,政府等関係各方面への働きかけを行う.


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