日医ニュース
日医ニュース目次 第1016号(平成16年1月5日)

資料版
平成14年(2002)医師・歯科医師・薬剤師調査の概況
(厚生労働省)

 この調査は,医師,歯科医師および薬剤師について,性,年齢,業務の種別,従事場所および診療科名(薬剤師を除く)等による分布を明らかにし,厚生労働行政の基礎資料を得ることを目的とするものであり,昭和57年までは毎年,同年以降は2年ごとに実施している.

結果の概要

1 医師

 平成14年12月31日現在における全国の届出医師数は262,687人で,平成12年(以下「前回」という)に比べ6,895人,2.7%増加している.また,人口10万対医師数は206.1人で,前回に比べ4.6人増加している.

(1)施設・業務の種別にみた医師数
 主に従事している業務の種別をみると,「医療施設の従事者」は249,574人(総数の95.0%)で,前回に比べ6,373人(2.6%)増加している.
 「介護老人保健施設の従事者」は2,315人で,前回に比べ201人増加し,「医療施設・介護老人保健施設以外の従事者」は8,611人(457人増),「その他の者(医師の資格を必要としない業務の従事者や無職の者など)」は2,178人(30人増)となっている.

施設・業務の種別にみた医師数および構成割合
各年12月31日現在
  医師数(人) 対前回増減数
(人)
対前回増減率
(%)
平成14年(2002) 平成12年(2000)
総数
医療施設の従事者
 病院の従事者
 診療所の従事者
介護老人保健施設の従事者
医療施設・介護老人保健施設以外の従事者
その他の者
262,687
249,574
159,131
90,443
2,315
8,611
2,178
255,792
243,201
154,588
88,613
2,114
8,154
2,148
6,895
6,373
4,543
1,830
201
457
30
2.7
2.6
2.9
2.1
9.5
5.6
1.4
人口10万対医師数(総数) 206.1 201.5 4.6 2.3

注)総数には,施設・業務の種別不詳を含む.

(2)医療施設(病院・診療所)に従事する医師数

  1. 施設の種別にみた医療施設に従事する医師数
     年次推移をみると,昭和61年以降「病院(医育機関附属の病院を除く)」が最も多く,平成14年では,「病院(医育機関附属の病院を除く)」115,993人,「診療所」90,443人,「医育機関附属の病院」43,138人となっている.
  2. 年齢階級・性別にみた医療施設に従事する医師数
     年齢階級別にみると,「40〜49歳」が66,020人(26.5%)と最も多くなっている.
     施設の種別に年齢階級をみると,「病院(医育機関附属の病院を除く)」および「医育機関附属の病院」では,「30〜39歳」がそれぞれ37,726人(病院(医育機関附属の病院を除く)の従事者の32.5%),19,340人(医育機関附属の病院の従事者の44.8%)と最も多く,「診療所」では「40〜49歳」が23,498人(診療所の従事者の26.0%),「70歳以上」が22,946人(25.4%)と多くなっている.
     平均年齢をみると,「病院(医育機関附属の病院を除く)」では43.6歳,「医育機関附属の病院」36.6歳,「診療所」58.0歳となっている.
     平均年齢の年次推移をみると,病院の従事者では,近年上昇傾向が続いている一方で,診療所の従事者では,下降傾向が続いている.
     また,年齢階級別の年次推移をみると,病院の従事者では近年,「30〜39歳」が減少傾向で,「40〜49歳」,「50〜59歳」が増加傾向となっている.診療所の従事者では近年,「60〜69歳」が減少傾向で,「40〜49歳」,「70歳以上」が増加傾向となっている.
     性別にみると,男が210,764人で,前回に比べ2,411人(1.2%)増加し,女は38,810人で,同3,962人(11.4%)増加している.男女の構成割合をみると,全年齢階級で男が多いが,年齢階級が低くなるほど女の割合は高くなり,「29歳以下」では33.0%となっている.
  3. 診療科名別にみた医療施設に従事する医師数
    (1)診療科名(主たる)別にみた医療施設に従事する医師数
     主として従事する診療科名別にみると,「内科」が74,704人(29.9%)と最も多く,次いで「外科」23,868人(9.6%),「整形外科」18,572人(7.4%)となっている.
    性別にみた医療施設に従事する医師数
    各年12月31日現在
      医師数(人) 対前回増減数
    (人)
    構成割合(%)
    平成14年(2002) 平成12年(2000) 平成14年(2002) 平成12年(2000)
    総数

    249,574
    210,764
    38,810
    243,201
    208,353
    34,848
    6,373
    2,411
    3,962
    100.0
    84.4
    15.6
    100.0
    85.7
    14.3
    29歳以下

    26,206
    17,558
    8,648
    25,693
    17,750
    7,943
    513
    △192
    705
    100.0
    67.0
    33.0
    100.0
    69.1
    30.9

     また,病院・診療所別にみると,病院では「内科」が36,038人(病院の従事者の22.6%)と最も多く,次いで「外科」18,573人(11.7%),「整形外科」12,156人(7.6%)となっており,診療所では「内科」が38,666人(診療所の従事者の42.8%)と最も多く,次いで「眼科」7,075人(7.8%),「整形外科」6,416人(7.1%)となっている.
     また,前回と比べた診療科名別の増減数をみると,「精神科」,「循環器科」などが増加しており,「外科」,「神経科」などが減少している.
     平均年齢をみると,従事者が最も多い「内科」では51.8歳,次いで多い「外科」では,47.4歳となっている.
    (2)診療科名(複数回答)別にみた医療施設に従事する医師数
     従事する診療科名(複数回答)別にみると,「内科」が99,196人(39.7%)と最も多くなっており,次いで「外科」34,810人(13.9%),「小児科」32,706人(13.1%)となっている.
     また,病院・診療所別にみると,病院では「内科」が46,529人(病院の従事者の29.2%)と最も多く,次いで「外科」21,178人(13.3%),「整形外科」13,611人(8.6%)となっており,診療所では「内科」が52,667人(診療所の従事者の58.2%)と最も多く,次いで「小児科」23,094人(25.5%),「消化器科(胃腸科)」18,960人(21.0%)となっている.
     前回と比べた診療科名別の増減数をみると,「リハビリテーション科」,「循環器科」などが増加しており,「小児科」,「外科」などが減少している.
  4. 都道府県(従業地)別にみた医療施設に従事する人口10万対医師数
     全国の医療施設に従事する人口10万対医師数は195.8人で,前回に比べ4.2人増加している.
     これを都道府県別にみると,徳島県258.7人,高知県258.5人,京都府257.8人などが多く,埼玉県121.8人,茨城県136.6人,千葉県141.9人などが少なくなっている.

2 歯科医師

歯科医師数は92,874人で,引き続き増加
 全国の歯科医師数は92,874人で,平成12年に比べ2,017人(2.2%)増加し,医療施設の従事者は90,499人,そのうち病院の従事者は11,674人,診療所の従事者は78,825人となっている.
 診療所に従事する歯科医師の平均年齢は,上昇傾向にある.

3 薬剤師数

薬剤師数は229,744人で,引き続き増加
 全国の薬剤師数は229,744人で,平成12年に比べ12,267人(5.6%)増加している.
 薬局の従事者は,106,892人で前回より12,132人(12.8%)増加し,病院・診療所の従事者は47,536人となっている.
 薬局の従事者が病院・診療所の従事者に比べ大きく増加する傾向が続いている.

このページのトップへ

日本医師会ホームページ http://www.med.or.jp/
Copyright (C) Japan Medical Association. All rights reserved.