日医ニュース
日医ニュース目次 第1039号(平成16年12月20日)

日医 定例記者会見

橋本常任理事
医師の再教育と専門医のあり方を検討

日医定例記者会見/橋本常任理事/医師の再教育と専門医のあり方を検討

 橋本信也常任理事は,十一月二十四日の定例記者会見で,(一)行政処分を受けた医師の再教育,(二)専門医についての日医の考え―の二件に関して説明を行った.

医師の再教育への取り組みに意欲を示す

 厚生労働省の「行政処分を受けた医師に対する再教育に関する検討会」で,直近五年間の医師の処分件数が合計二百十六件と報告されたことに触れ,「反社会的行為による処分で,医師である以前の問題だ.再教育は当然で,もっと早く行うべきだった」と述べ,さらに,再教育の内容・方法・評価を国民に示さねばならないとした.
 臨床研修を終えた医師を対象とする教育には,(1)普通の医師への生涯教育(2)リピーター医師の再教育(3)行政処分を受けた医師の再教育―の三つのカテゴリーがあり,特に,(2)のカリキュラム作成のため,近日中に関連担当役員が会合を開き,検討に入ることを明らかにした.また,(3)の実施主体は日医であるべきで,国民が納得できるカリキュラムを用意して,積極的に,粘り強く対応していきたい,と意欲を示した.

専門医のあり方を検討することを表明

 わが国の専門医のあり方に関して,会内の学術推進会議で検討を始めたことを明らかにした.
 橋本常任理事は,現行の専門医認定について,(1)学会によって専門医の認定基準が異なっている(2)学会によって,会員のなかに占める専門医の比率の差が大きい(3)真に必要な診療科別専門医数が検証されていない―などの問題点があると指摘.そのうえで,「専門医は国民のためにあるのだという原点に立ち返って,日本医学会とも意見交換しながら議論を進めていきたい」と述べた.
 具体的には,(1)日医の生涯教育のカリキュラムのなかの基本的医療課題を,専門医制度の基礎研修とすることが可能か(2)特定の診療科の専門医に対して,何らかのインセンティブとなるような優遇措置を取れないか―などについても検討していくとした.
 今後は,厚労省,日本専門医認定制機構からもヒアリングを行う予定.

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