日医ニュース
日医ニュース目次 第1050号(平成17年6月5日)

中医協薬価専門部会・保険医療材料専門部会
算定ルール見直しに向けた論議を開始

中医協薬価専門部会・保険医療材料専門部会/算定ルール見直しに向けた論議を開始(写真)

 中央社会保険医療協議会(中医協)薬価専門部会ならびに保険医療材料専門部会が,五月十八日,都内で開催された.
 薬価専門部会では,わが国の製薬産業と医薬品市場の現状について,専門委員からヒアリングを行った.
 専門委員は,(1)国内市場が伸びないなかで,製薬企業はコストを圧縮しながらも研究開発への投資を拡大していること(2)医薬品の研究開発は,そもそもリスクがあり,その期間の長期化とコストの増大傾向はさらに強まりつつあることなどを指摘したうえで,薬価の適正な評価を要望した.また,フラットプライスについては欧米の実態を示しながら,日本になじむものではないと説明した.
 これに対して,櫻井秀也副会長は「医薬品の開発には費用がかかり,リスクが伴うことも理解できるが,そのリスクを公的医療保険でみるのはおかしい.医薬品の開発は国民のためにもなるものであり,本来その費用は国が責任を持って用意すべきである」と主張.一方,松原謙二常任理事は,「フラットプライスが導入されている国の影響を受けて,日本の薬の値段が高くなっている場合もあり,その実態をよく調べてほしい」と要求した.(写真左)
 次回は,薬価算定ルールの見直しに関して,国内外の団体からヒアリングを行う予定となっている.
 保険医療材料専門部会では,まず,現行の材料価格基準制度について,厚生労働省事務局から説明があった後,意見交換が行われた.
 そのなかで,櫻井副会長は,保険医療材料の区分のうち,価格が個別に設定され評価されているB区分について,「二十万から三十万の銘柄が含まれているといわれているが,必要でないものもあるのではないか.現行の機能区分自体も,これでよいのか検討すべきである」との意見を述べた.
 今後については,内外価格差の是正,機能区分の見直し等について,まずは保険医療材料専門組織で検討してもらい,その意見を踏まえたうえで,さらに検討を続けていくこととなった.

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