日医ニュース
日医ニュース目次 第1054号(平成17年8月5日)

社会保障審議会介護給付費分科会
介護報酬見直しで答申
野中常任理事が最後まで抵抗

 社会保障審議会介護給付費分科会が,七月十四日,都内で開催され,介護報酬の見直しに関する諮問が了承された.委員として分科会に出席していた野中博常任理事は,今回の見直しの内容が利用者の意思を無視したもので,社会保障の理念にも反することから,最後まで諮問を了承することに抵抗した.

社会保障審議会介護給付費分科会/介護報酬見直しで答申/野中常任理事が最後まで抵抗(写真) 今回の見直しは,介護保険施設等における居住費(滞在費)および食費が,本年十月一日から保険給付の対象外となることに伴うものであり,この見直しによって,厚生労働省では,介護保険給付費で三千億円の削減(平年度ベース),介護保険料で一カ月当たり平均二百円の引き下げ効果があるとの試算を出している.
 当日の議論のなかで,野中常任理事は,「今回の見直しは,在宅と施設との給付と負担のバランスを図るために実施するとのことであったが,やむを得ず施設を利用せざるを得ない人たちへの配慮に欠けている」と,改めて見直しの内容を批判.さらに,在宅ケアの基盤整備が進んでいないなかで,十月から施行することに問題意識を示すとともに,国に対しては利用者への納得のいく説明を求めた.
 その結果,了承に当たっては,(1)平成十八年四月に予定されている次期介護報酬の見直しに向けた検討を進めていくなかで,在宅ケアの推進に関する課題をはじめ,分科会の審議で提起された諸課題についても検討すること(2)厚労省は保険者等と協力して十分な準備支援体制を早急に確保すること―を求める意見が付記されることとなった.
 なお,今回の見直しに伴う激変緩和を避けるため,従来型個室の既入所者,新規入所者に対しては経過措置が設けられたほか,低所得者対策として「負担上限額」を設定して,介護保険から一定の補足給付が行われることになっている.
 諮問が了承されたことを受けて,野中常任理事は,後日,次のように述べた.(写真
 「利用者に対して十分な説明をしてもらう時間を確保するためには,議論を長引かせることもできず,了承するに当たって付帯意見も付けられたことから,今回は,やむを得ず諮問内容を即日了承することとなった.
 しかし,利用者にとって本当に良いものになっているのかを検証するためにも,本来はパブリックコメントを求めるなど,もっと時間をかけて議論すべきであったと考えている.
社会保障審議会介護給付費分科会/介護報酬見直しで答申/野中常任理事が最後まで抵抗(写真) 見直しの内容については,介護老人保健施設・介護療養型医療施設のユニットケアを評価する仕組みを導入したり,栄養ケア・マネジメントを評価することになったことなど,評価できる部分もあり,今後の推移を見守っていきたい」
 具体的な見直しの内容については,別記事を参照.

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