日医ニュース
日医ニュース目次 第1055号(平成17年8月20日)

会員の窓

 会員の皆さまの強い要望により,投稿欄「会員の窓」を設けました.意見・提案などをご応募ください.

たばこをやめるコツ
金森
(島根県・出雲医師会)

 八十八歳ともなると,元気だとはいえ,いろいろと故障が起こる.難聴や虫歯は,補聴器や入れ歯でどうにか間に合うが,聴診器は使っても聴こえない.腰椎の少々の故障は,杖を使えば歩行には差し支えはしない.大切な心肺機能は,ほぼ正常運転をしている.
 私の病歴といえば,小学校一年生の時,山から下りる石段で転んで,右の肘関節の骨折,脱臼.また,旧制中学五年の時に肺炎となって,三学期をほとんど欠席.この二つだが,中学時代はスポーツマンのはしくれで,バスケット部のガードで活躍していた.
 旧制高校に入学が決まったあと,すぐにたばこを吸い始めて,ヘビースモーカーとなった.祖母が刻みたばこを,きせるで吸うのを見て育ったせいだったかとも思う.マントを着て,たばこを吸って,三瓶山まで数里の道を歩いたのを記憶している.
 たばこは一日平均五十本,フィルター付きは嫌い.「バット」は軽くて,数口でなくなるので,香りは良かったが吸わなかった.主に,「ひかり」と「新生」だった.「ピース」は時に吸うこともあったが,高価で続かなかった.たばこ歴は八十歳の夏まで,六十二年間続く.
 七十九歳と八十歳の時,腹部の切開手術を三回受ける.はじめの二回は,一カ月以内で退院した.三回目は肺炎を併発して,二カ月近い入院となった.その後,たばこがまったく吸えなくなった.四十日以上の入院が禁煙のコツだと聞くが,本当だ.

たばこ
赤座 壽(岐阜県・羽島郡医師会)

 「どうして,国が認めているものを吸ってはいけないのか?」
 禁煙指導中の患者さんからの一言で,眼から鱗が落ちた.喫煙の害ばかり訴えても,法律が認めているかぎり伝わらないのではないか.百害あって一利なしのたばこが,売られていること自体がおかしい.今後は,たばこ禁止を訴えよう.流通,販売を含めたたばこ産業を生業とする人々の禁止後の生活に眼を向けた対策が必要である.
 たばこ葉の有効利用(例えば,防臭防塵材)は考えられないだろうか.国は,たばこにより得られる税収より,たばこ病により増える医療費の方が圧倒的に高額なことを認めるべきだ.日本脳炎ワクチンを中止したのと同様の理由が,たばこにはないのか.たばこは,その何千,何万倍も危険な物質である.受動喫煙者の発がん性を増す毒物でさえある.早々に禁止として,喫煙者にはニコチン中毒症の病名で保険治療を施行したい.
 人を含めた自然環境を,良い状態で後世に残すことは最優先すべき事柄で,一刻を争う.われわれがリーダーシップをとって,司法行政に意見しなければいけない.
 各関連学会の会長,諸先生方に,たばこ問題を最優先課題として,考えていただきたい.今後は,たばこの自動販売機の撤去,小売価格の引き上げ(一箱五百円くらいが妥当か),購入時の年齢証明書の提示義務を訴えていきたい.ブータンは,昨年十二月十七日,世界で初めてのたばこ販売禁止国となった.

百尺竿頭一歩を進めるべし
安達三郎(岡山県・津山市医師会)

 近年ようやく禁煙運動が盛んとなり,日医でも本格的に禁煙運動の推進に邁進しつつあることは,会員の一人として誠に意義深いことと考えている.しかしながら,喫煙が当人はもとより,周辺の人々にも喫煙者と同様,いや,それ以上に,健康被害を与えていることは,諸種の検査の結果,明瞭になっていることであり,いまさら申し述べるまでもない.
 医学的に,「百害あって一利なし」といい得るたばこに対し,果たして,こんな禁煙運動の推進だけで満足し得るものであろうか.
 私はもっと,根本的な運動を併せて行うべきであると常々考えている.それは何か.
 たばこの栽培・製造・販売の国内での禁止である.極論といわれるかも知れないが,真に喫煙による健康被害を憂えるならば,そこまでの徹底した運動を政府に,あるいは国民に喧伝してこそ,初めて完全な効果を挙げ得るので,禁煙運動は単なる序章といわねばならない.
 覚せい剤や麻薬の取り締まりはなかなか困難を極めているが,煙を出すたばこは,既述のような究極の結論を出したとしても,取り締まりも可能というべきであろう.
 ただ,たばこ栽培者,製造販売会社への補償,あるいは国税の減収等々,影響する所多大であると思うが,「生命あっての物種」,健康のために思い切って最善の手段をとることを最終目標として,大きなキャンペーンを望むものである.

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