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第1057号(平成17年9月20日) |
雪下國雄常任理事に聞く
麻しん 風しん 予防接種の普及啓発を訴える

来年四月一日から予防接種法施行令が改正となり,麻しんおよび風しんの混合ワクチンの導入とともに接種期間が変更されることになった.あわせて,日本脳炎,BCG接種,インフルエンザについて,雪下國雄常任理事に聞いた.
麻しん,風しんの予防接種の制度改正について教えてください.
法に基づく予防接種は,国内における発生,まん延を予防することを目的とするもので,今回の改正は,麻しん対策を強化し,その根絶を目指すとともに,風しんによる先天性風しん症候群の発生を予防することに重点が置かれています.
平成十八年四月一日からは,麻しん,風しん混合ワクチンによる二回接種制度が導入され,第一期の予防接種は「生後十二月から生後二十四月に至るまでの間にある者」,第二期の予防接種は「五歳以上七歳未満の者であって,小学校就学の始期に達する日の一年前の日から当該始期に達する日の前日までの間にあるもの」に変更となります.
今後は,制度の変わり目の未接種者である対象者に対して,あらゆる機会を通じて,生後十二月以降なるべく早期に麻しんと風しんの両方の接種を受けるようにとの普及啓発が,特に重要となってきます.市区町村において個別通知等の積極的勧奨が実施されますが,今後も,ポスター等を作成するとともに,日医,日本小児科医会,厚生労働省の三者が主催する「子ども予防接種週間」等を通じて,積極的な呼びかけを行っていくことにしています.ご協力をよろしくお願いします.
なお,平成十八年四月一日前に,麻しん,または風しんの単抗原ワクチンのいずれか,または両方の接種を受けた者については,当面,安全性の観点から厚労省の方針として第二期の予防接種の対象者としないこととされていますが,早急に厚労省研究班による研究を実施し,単抗原ワクチン接種済者への混合ワクチン接種に対し,有効性・安全性のエビデンスを確認でき次第,接種対象にすることと承知しています.
制度移行に伴う経過措置はどうなりますか?
現在または平成十八年三月三十一日まで法定接種の対象となっている生後十二月より九十月までの幼児は,平成十八年三月三十一日までに,麻しん,風しんの両方の予防接種を済ませることが必要です.
平成十八年四月一日以降は,麻しん,または風しんの単抗原ワクチンの接種は法に基づかない接種となりますが,生後十二月から二十四月までの者については,当面の間,経過的な対応として麻しん,または風しんの単独接種について,費用負担を実施するよう厚労省から通知が出されております.ぜひ各医師会からも市区町村に働きかけていただきたいと思います.
法に基づかない麻しん,または風しんの予防接種であっても,市区町村が費用負担を行うものについては,万が一,健康被害が生じた場合であっても,接種医は故意,または重大な過失がない限り,責任を問われるものではありません.健康被害は,医薬品医療機器総合機構法に基づき,救済されることになります.
日本脳炎予防接種の積極的勧奨が差し控えられましたが……
本紙第一〇五四号の「視点」にも掲載していますが,日本脳炎の国内における発症は数例と激減し,その大部分は五十歳以上の中高齢者です.小児の発症は極めてまれで,特に,十代後半の発症者は過去二十二年間に一例に過ぎません.
来年から,組織培養を使用した新しいワクチンが供給される見込みです.それまでの間,接種を中断しても,その該当者のなかから患者が発生することはまず考えられず,現在のワクチンとの因果関係は証明されておりませんが,接種後の急性散在性脳脊髄炎(ADEM)の発症の確率を考えれば,念のため新しいワクチンの安全性が確認され,使用できるまでの勧奨の中断は,やむを得ない措置と判断した次第です.ただし,定期接種対象者で,日本脳炎の流行地域へ渡航する者など,本人,保護者が希望する場合には,法定接種として,日本脳炎ワクチン接種を従来通り実施することができます.
また,第三期の予防接種(十四歳以上十六歳未満)については,有効性が認められないことから,政令改正により七月二十九日をもって廃止されました.
なお,厚労省と日医とで,五月三十日の公表に向けて調整していたところ,公表前に一部の新聞に掲載され,現場で混乱が起きたことは誠に遺憾であり,お詫びするとともに,報道関係者の自粛を要望するものです.
BCG接種が本年4月1日から変わりましたが……
結核予防法が約五十年ぶりに改正され,本年四月一日から実施されています.特に,大きな変更となった生後六月までのツベルクリン反応検査なしのBCGのダイレクト接種については,先生方のご協力をもちまして,大きな混乱もなく行われていると認識しております.
BCG接種は,結核に対する基礎免疫をつけるとともに,乳幼児期の粟粒結核,結核性髄膜炎等の発生,重症化を防ぐために行うものです.特に,これら重症例の大部分は生後十二月までに発症しているため,なるべく早い段階で接種する必要があります.引き続き,早期接種の実施にご協力をお願いいたします.
| 日本脳炎,麻しんおよび風しんの定期予防接種期間の改正 |
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今年度のインフルエンザワクチンについてはどうですか?
厚労省「インフルエンザワクチン需要検討会」における検討を踏まえ,今年度は,昨年度ワクチン使用量の約三割増となる二千二十万〜二千百万本の製造が予定されています.
流通の偏りによる一時的なパニックを防ぐために,ワクチンは使用量に合わせて分割購入し,シーズン終了後に大量のワクチンを返品することのないよう十分な配慮をお願いします.状況によっては,接種シーズン終盤に多量にワクチンを返品した医療機関等の公表も検討しています.
今年度より,全国の卸売販売業者の在庫状況を,厚労省から全都道府県に定期的に提供し,各都道府県において,在庫の偏在,不足等の状態をモニターできる体制を構築するとともに,昨年度に引き続き,各都道府県のインフルエンザ対策委員会が中心となって,円滑なワクチンの提供に努力することになっています.
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