日医ニュース
日医ニュース目次 第1062号(平成17年12月5日)

感染症危機管理対策協議会
スマトラ島沖地震のその後と予防接種対策

感染症危機管理対策協議会/スマトラ島沖地震のその後と予防接種対策(写真) 感染症危機管理対策協議会が,十一月九日,日医会館小講堂で開催された.
 雪下國雄感染症危機管理対策室長による司会で開会.植松治雄会長は,「日医では,感染症危機管理対策室を設置し,感染症対策を推進しているが,国民の生命,健康を守るため,感染症に対し,さらに万全の体制を期す必要がある.参加者には本協議会の成果を踏まえ,各地域において,感染症対策が混乱なく円滑に実施されるよう,協力をお願いする」とあいさつした.
 その後,講演三題が行われた.
 講演(一)「スマトラ島沖地震,津波災害後六か月の現況」では,大利昌久日医感染症危機管理対策委員会委員/海外法人医療基金顧問が,昨年十二月二十六日に発生したスマトラ島沖地震,津波災害について報告.今後は,デング熱,狂犬病,マラリアなどの疾患が問題になるとし,調査の継続と援助の必要性を述べた.
 講演(二)「スマトラ島沖地震・津波災害―スリランカにおける赤十字の活動」で,大津聡子日本赤十字社和歌山医療センター/スリランカプロジェクトリーダーは,スリランカにおける日本赤十字社の救援活動,支援事業,特に,感染症に関する保健衛生活動について説明.災害救援事業は,発生直後の個人に対する診療活動期間だけでなく,実際は,その後の復興援助が最も重要な問題であるとし,現在行っている疾病予防,診療体制の再構築,保健衛生事業,教育などの支援活動を紹介した.
 講演(三)「スマトラ被害と今後の展開(感染症対策を中心として)」では,門司和彦長崎大学熱帯医学研究所教授が,(1)緊急援助はすばらしいものだった(2)結果的に感染症による過剰死亡はなかった(3)継続的な感染症監視体制が必要(4)研究能力の向上,人材育成(長期的な研究協力)(5)今後は復興援助が大切(生活再現・仕事・心のケア)(6)Silent Tsunamiへの世界の関心(7)発展途上国では,危機管理準備も大切だが,まず日常能力が大切(日本では両方重要であり,相関する)―の七つを挙げ,今後も,積極的に支援活動を行っていきたいと述べた.
 つづいて行われた雪下常任理事の「予防接種対策について」の報告では,(一)来年四月一日から導入される麻しん,風しんの混合ワクチン,(二)日本脳炎の予防接種,(三)その他(DPT,インフルエンザ,BCG)の予防接種,(四)本年同様,来年三月一〜七日に実施する子ども予防接種週間―の四つの事項について,事前に寄せられた,四都道府県医師会からの質問・要望も踏まえて説明を行った.
 活発な協議の後,寺岡暉副会長が統括をし,閉会となった.

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