日医ニュース
日医ニュース目次 第1062号(平成17年12月5日)

平成17年度日医医療情報システム協議会
「医師会の情報化の現状と展望」を探る

平成17年度日医医療情報システム協議会/「医師会の情報化の現状と展望」を探る(写真) 日医医療情報システム協議会が,十一月十二,十三の両日,日医会館大講堂で開催された.
 一日目は,松原謙二常任理事が総合司会となり,本協議会が全国医療情報システム連絡協議会(全医協)を前身とし,地域医療情報ネットワークシステム研究会(COMINES)の協力の下に,本年度から発足したものであると説明した.
 櫻井秀也副会長は,あいさつのなかで,「日医は情報化推進策として,医師会総合情報ネットワークの構築を進めている」と述べたほか,厚生労働省試案批判,また,医療のIT化についても,「一部の経済界や,保険者,支払基金等が自分たちのために進めようとしている一面があり,問題がある.医師会は,患者さんに対し,安全で質の良い医療が提供でき,国民にどう役立つかの視点でIT化を進めている」と述べた.
 つづいて,久野梧郎運営委員会委員長があいさつし,本協議会が日医主催で開催されるようになった経緯と,運営委員会において議論された本協議会の方向づけ等について説明した.
 その後,石原謙日医総研研究部長が,「ORCAプロジェクトの現状と今後の展開」について講演し,診療所向け日医標準レセプトが,すでに完成の域にあり,導入医療機関も増加していると述べた.
 つづくシンポジウム「医師会IT化の現状と展望」では,青森県,神奈川県,焼津市,松山市の各医師会と,コメンテーターとして松原常任理事が参加し,医師会IT化に対する取り組みが議論された.さらに,事例報告一として,鶴岡地区医師会,岐阜県医師会,愛媛県医師会の事例が報告され,一日目を終了した.
 二日目は,佐伯光義運営委員の総合司会で始まり,午前中は事例報告二として,伊都医師会,大村市医師会,群馬県医師会の取り組みが報告された.その後,三つの分科会((1)電子カルテ一 電子カルテとは(2)電子カルテ二 どうなる電子カルテ(3)事務局情報担当者セッション)に分かれ,電子カルテに対する問題点,今後の展望などが議論された.
 午後は,事例報告三(千葉県医師会,富士吉田医師会,熊本県医師会)の後,討論「医療のIT化」では,飛岡宏運営委員,千村浩厚労省医政局研究開発振興課医療機器・情報室長,堀口光経済産業省商務情報政策局サービス産業課医療・福祉機器産業室長,松原常任理事を交え,電子カルテの問題,医療情報の外部保存や保険証のQRコード化等が討議された.最後に,森洋一運営委員会副委員長のあいさつで閉会した.
 なお,二日間にわたり,一階ロビーで日医標準レセプトソフト・電子カルテの展示,説明に加え,協議会の模様を映像配信した日医テレビ会議システムのデモも行われた.

このページのトップへ

日本医師会ホームページ http://www.med.or.jp/
Copyright (C) Japan Medical Association. All rights reserved.