日医ニュース
日医ニュース目次 第1070号(平成18年4月5日)

女性会員懇談会から

医師会活動への女性医師の参加促進

 先の署名運動で千七百万人余りの署名が集まったとはいえ,一部の会員の努力によるもので,そのうち女性会員は,どれほど協力できたのであろうか.
 女性医師の目を医師会に向けるには,どうしたらよいのだろうか.
 昨年七月に行われた“男女共同参画フォーラム”において取り上げられた問題点は,「女性医師たちの働きやすい環境作り」であった.愛知県医師会勤務医部会が,昨年四月に行った“女性医師問題に関するアンケート”でも,仕事と家庭,育児などとの両立の難しさで,特に,女性医師の勤務の妨げとなっているものは,家庭的背景(夫,家族が協力的でない)が四一・四%を占め,配偶者が医師である場合,五〇・五%は常勤,三五・八%が非常勤で,配偶者の勤務環境が改善されないと,女性医師の働きやすい,また,医師会活動への参加ができるような状況は望めそうにない.
 しかし,平成十七年三月に出された東京都医師会女性会員問題検討委員会の報告では,地区医師会の女性役員の経験者は,「役員をやってみて医師会の役割,活動内容がよく理解でき,視野も広がり,また,女性ならではの発想や意見も取り入れられ,より充実した時間が持て,やりがいがあった」と述べている.
 『国民医療年鑑(平成十六年度版)』の医師数の動向によると,総数二十六万二千六百八十七人中,女性は四万千百三十九人で,一五・七%である.その人たちの目を医師会活動へ向けるには,活動内容を知ってもらい,かかわることの必要性を感じてもらうことが大切である.しかし,まだまだ医師会役員に女性は少ないのが現状で,都道府県医師会の女性役員は全国で二十四名,郡市区医師会の女性役員は全国で四百四十九名である.
 昨年の“男女共同参画フォーラム”の場で,植松治雄会長は日医の各種委員会に女性会員を一名以上登用したいと発言された.女性役員を推薦,輪番制,立候補制,定員制など,地域に適した方法で選出し,実際に参加活動してもらうことが大切である.その際,活動の場に女性が出やすい時間的配慮が必要となる.
 まだまだ先進国より遅れている男女共同参画に対して,男女共に意識改革をし,いずれ医師の半数を女性が占める時が来るといわれているが,今のうちに,女性医師が国民医療の担い手として十分活躍できるよう,働きやすい環境作り,参加しやすい医師会作りに力を合わせて取り組んでいこう.

(愛知県医師会 中野慧子)

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