日医ニュース
日医ニュース目次 第1077号(平成18年7月20日)

第38回産業医学講習会
労働安全衛生法の改正で産業医の役割が増大

 第三十八回産業医学講習会が,七月六〜八日の三日間,日医会館大講堂で開催され,三百八十二名の受講者が参加した.
 今村聡常任理事の司会の下,冒頭,主催者あいさつに立った唐澤人会長は,医療を取り巻く厳しい現状にふれ,「このような時こそ,地域に密着した医師会本来の保健医療活動を通じて,活力ある社会の構築のために貢献し,国民の理解を得ることが重要になる」と指摘.また昨年,労働安全衛生法の改正が行われたことについては,「過重労働,メンタルヘルス対策の充実強化が図られた.産業医による面接指導の実施や,衛生委員会の機能が強化されることになり,労働者の健康管理を担う産業医に期待される役割は,ますます増大している」と強調し,講習会での成果を産業医活動に反映させることに期待を寄せた.
 つづいて来賓あいさつを行った川崎二郎厚生労働大臣(小野晃厚労省労働基準局安全衛生部長代読)は,労働安全衛生法について,業務における危険性,有害性の低減に向けた事業者の措置の充実と,過重労働による健康障害防止対策,職場におけるメンタルヘルス対策の強化を図る観点から改正を行い,本年四月に施行したことを説明.特に,改正法で事業者に義務付けられた,「長時間労働者への医師による面接指導の実施」における産業医の役割の重要性を訴え,労働者の健康確保に尽力を求めた.
 その後,産業医に必要な「法的知識の解説」「産業医学総論」「健康管理概論」「実践各論」を柱に,幅広い内容の講習が行われた.

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