日医ニュース
日医ニュース目次 第1081号(平成18年9月20日)

私もひとこと

秋田県医師会長 小山田 雍

 今,社会保障給付費の抑制,低医療費の政策が加速しているなか,病院医師の不足が指摘されて久しい.
 今後もこの傾向が進めば,とりわけ地方においては,医療の水準や安全の向上どころか,維持することすら困難となり,地域医療崩壊の危機に瀕していると言わざるを得ない.
 病院の医師不足は,新医師臨床研修制度による影響もあるが,勤務医の開業医への転向によるところが大きい.
 勤務医が開業医へと転向する本当の原因は何であろうか.
 救急医療や宿・日直の激務,文書作成や管理作業などデスクワークの日常的増加が加わり,過酷な労働環境から,医師が自身の将来を見通せば,“同じ苦労をするのなら開業を”との帰結も想像に難くない.
 基幹的中核病院の医師不足は,地域医療全体の水準と安全を脅かすことになる.現実的な対応として,開業医による病院の診療機能への部分的な参画の仕組みも必要ではないか.
 具体的には,外来や時間外診療,専門外来などへの参画,開放型病床の活用などがあり,診療参画型の医療連携の方法が考えられる.
 すでに推進している地域もあるが,どこでどのような医療連携が可能なのか,検討の余地はある.

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