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第1084号(平成18年11月5日) |
日本医学会・日本医師会合同シンポジウム
医師の専門分野の偏在をテーマに

日本医学会・日本医師会合同シンポジウムが,十月十二日,「医師の専門分野の偏在―現状とその対策―」をテーマとして,日医会館大講堂で開催された.
開会に当たってあいさつした高久史麿日本医学会長は,今回のシンポジウムのテーマについて触れ,「医師偏在は,現在大きな問題となっており,今日の議論の結果を踏まえて,日医と共同で何らかの提案ができればよいと考えているので,協力願いたい」と述べた.
シンポジウムでは,まず,横浜市立大の宮城悦子氏,千葉県こども病院の杉村洋子氏,日医大の近藤久禎氏が,おのおのの実体験を基に,産婦人科,小児科,救急医療が抱えている問題点(労働環境の劣悪さなど)を報告,その窮状を訴えた.
飯野奈津子NHK解説委員は,医療現場の窮状を多くの国民に伝えていくことがマスコミの大きな役割であると考えているとし,今後は,患者ばかりでなく,医療提供者側も,安心し,納得して医療を提供できる環境を整えることが大事になるのではないかと発言した.
吉川裕之筑波大大学院教授は,日本産科婦人科学会の調査結果を基に,産婦人科の医師がここ数年,急激に減少していることを報告.その原因に,過重労働,医療訴訟の多さ,女性医師に対する社会の理解不足があるのではないかと分析し,その対応策として,現在,同学会では診療ガイドラインの作成,女性医師に対する継続的な就労支援を行っていることを紹介した.
別所文雄杏林大教授は,小児科医の偏在によって,需要と供給の不均衡が生じ,統計上は小児科医が増加しているにもかかわらず,現場では足りないと感じる“ねじれ現象”が起きていると指摘.それを解消するためには,適正な医師数を算定し,供給体制の見直しを図るとともに,医学・医療のあり方の再検討を行うことが必要なのではないかとの考えを示した.
有賀徹昭和大教授は,地域医療のなかで救急医療が果たす役割は大きいにもかかわらず,救急医学の専門性を発揮できる医師の絶対数が不足していることを報告.このままでは地域医療は崩壊しかねないとして,早期の改善を求めた.
宮嵜雅則厚生労働省医政局医事課医師臨床研修推進室長は,新医師臨床研修制度の現状と,「地域医療に関する関係省庁連絡会議」が取りまとめた「新医師確保総合対策」の内容を説明.今後も各自治体や医師会と協力し,医師偏在の問題に取り組んでいきたいと述べた.
その後の総合討論では,フロアから,医師の絶対数は不足しているとの指摘や女性医師の活用を求める要望など,さまざまな意見が出された.
また,司会を務めた木下勝之常任理事は,厚労省から出されるデータの問題点について,助産師の数を例に挙げて指摘したほか,「女性医師バンク事業」を本年度から開始することなど,日医の取り組みを説明した.
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