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第1085号(平成18年11月20日) |

高齢化社会と医療提供体制

二〇二五年には,高齢化率が三〇%を超えて,年間死亡者数も百六十万人超と現在の一・六倍以上になると予測され,医療費適正化という名の医療費抑制政策が続いている.
このような社会的背景のなかで,いつでも,どこでも,だれでも,良質な医療が受けられる国民皆保険制度の堅持のために,医療の効率化と連携の推進が求められている.
六月の医療法関連法案の改正により,療養病床の削減,高齢者負担増,後期高齢者保険制度創設,保険者による健診・保健指導の義務化などが決定された.医療現場への影響を最小限にとどめるために,今後の政省令や通達を厳重にチェックしていく必要がある.
保険者による健診・保健指導の義務化は,高齢化による生活習慣病増加への対策として,健診受診率の向上,生活習慣病患者および予備群の二五%減少などを目標としている.しかし,健診データの保険者による管理やレセプトデータとの突合,事業のアウトソーシングに伴う質の担保,保健指導と医療のかかわり,財源問題など,事業開始に向けて難問が山積している.
療養病床三十八万床を医療療養十五万床に削減し,在宅・居宅介護に転換する決定は,現場を無視したもので,混乱と不満が渦巻いている.また,医師偏在と看護師配置標準の変更は,地域医療提供体制を崩壊寸前にまで追い込んでいる.
これらから垣間見える厚生労働省の目指す方向は,病院の統廃合・集約化と病床削減,在院日数短縮,在宅医療へのシフトなどによる大幅な医療費抑制である.
今後,地域医療提供体制は,「急性期」,「亜急性期・回復期」,「慢性期」の機能分化と医療連携が進められる.特に九割以上が病院で亡くなる終末期医療については,ガイドラインを策定し,在宅看取りを四割にするとしている.在宅・居宅での医療提供体制確保は,訪問看護など,多職種との連携,二十四時間対応の体制整備,かかりつけ医のスキルアップなどが不可欠となる.
現在,病院勤務医の労力は,四割が外来に割かれているという.また,医療安全対策や民間医療保険の書類作成など雑務も多い.解決のためには,病院外来を「特殊・専門」,「救急」,「紹介」に特化し,夜間・休祭日の一次救急の医師会受託や医療秘書の導入なども検討する.
これを裏付ける診療報酬の見直し,医療連携・地域クリティカルパスの整備等も必要となる.
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