日医ニュース
日医ニュース目次 第1097号(平成19年5月20日)

日医定例記者会見

4月24日
厚労省医療構造改革推進本部案に対する日医の見解を示す

日医定例記者会見/4月24日/厚労省医療構造改革推進本部案に対する日医の見解を示す(写真) 内田健夫常任理事は,厚生労働省医療構造改革推進本部総合企画調整部会が取りまとめた「医療政策の経緯,現状及び今後の課題について」を,同省が四月十七日に,都道府県職員向けの参考資料として公表したことに対する日医の見解を示した.
 同常任理事は,日本の将来の医療提供体制については,現在,「医療提供体制のあり方検討会」で議論中であるのに,参考資料とはいえ,正式な資料として出した厚労省の姿勢を問題視.「フリーアクセスの制限と国民皆保険制度の形骸化に直接結び付くような,“医療費抑制”に貫かれた内容で,特に高齢者の医療・介護の将来にとって,現場を混乱させ,医療の荒廃を招くといった重大な結果を与えかねない」との危惧を示した.
 さらに,「医学,医療の使命は,人間の健康・生命を守るという“人間の安全保障”に貢献することにあり,日医は,国民の安全を守り,最善の医療を提供するため,医療提供体制の充実と国民皆保険体制を堅持していかなくてはならないと考えている」と日医の基本スタンスを説明.
 そのうえで,厚労省資料の問題点に対し,(一)今後の高齢者人口の増加を踏まえ,医療従事者数,病床の増加を検討すべきである,(二)医師,医療資源の集約化は,“地域特性”に配慮して慎重になされるべきである,(三)医師のへき地勤務は義務付けではなく,インセンティブを与えるような何らかの仕組みを考えるべきである,(四)急性期の病院勤務医の業務負担増は,国の医療費抑制策がもたらした問題であり,医療費抑制策を見直し,医療費を増やすことが適切な対応である,(五)個々の医療機関に特定の機能,役割を固定させるべきではない.また,一般病床に対する,平均在院日数の短縮や病床削減を目的とした政策的位置付けでは国民も納得できない,(六)在宅主治医制の導入は,“人頭割”につながり,フリーアクセスを阻害するので,明確に反対する―などの考えを示した.
 また,二十四時間対応については,それに対する十分な評価は重要であるが,一般的に開業医のコンビニ化を求められることは,地域における医療の疲弊を招き,地域医療の荒廃につながると指摘.医師会が関与した形での一次救急体制の整備を進める必要性を強調した.
 日医では,基本的な医療政策を提案するために,『グランドデザイン二〇〇七』の総論を発表しており,現在は各論の策定を進めている.今回の厚労省の取りまとめについて,同常任理事は,今後,『グランドデザイン二〇〇七』と突き合わせたうえで,継続して問題点を指摘していきたいとの考えを明らかにした.

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