日医ニュース
日医ニュース目次 第1097号(平成19年5月20日)

第1回都道府県医師会特定健診・特定保健指導連絡協議会(指導者研修会)
平成20年度からの特定健診・特定保健指導の実施に向けて

第1回都道府県医師会特定健診・特定保健指導連絡協議会(指導者研修会)/平成20年度からの特定健診・特定保健指導の実施に向けて(写真) 第一回都道府県医師会特定健診・特定保健指導連絡協議会(指導者研修会)が,四月二十一日に日医会館大講堂で開催された.当日は,都道府県医師会の担当役員,医師国民健康保険組合連合会の関係者ら四百六十三名が出席した.
 協議会(研修会)は,今村聡常任理事の司会で開会.
 冒頭,唐澤人会長は,「国民が病気にならず,健康に生活できるよう支援していくことは,医師の大切な役割である.大きな制度改正なので,さまざまな課題や問題点があると思うが,関係者が連携・協力して,国民の健康づくりのために一丸となって尽力して欲しい」とあいさつした.
 引き続き研修に入り,矢島鉄也厚生労働省健康局総務課生活習慣病対策室室長は,『標準的な健診・保健指導プログラム(確定版)』の概要を説明した.矢島室長は,今回の改革のポイントとして,(1)健診・保健指導にメタボリックシンドロームの概念を導入(2)糖尿病等の生活習慣病有病者・予備群二五%の削減目標の設定(3)医療保険者に健診・保健指導を義務化―を挙げ,生活習慣病予防の観点から,主に「予備群」をターゲットに,「健診,保健指導,データ分析・評価の標準化」「ポピュレーションアプローチの充実」「国民に分かりやすい学習教材の開発」を通して,(2)の達成を図ることなどを解説した.
 勝又浜子厚労省健康局総務課保健指導室室長は,特定保健指導の対象者は,健診結果から必要性に応じて,(1)情報提供(2)動機付け支援(3)積極的支援―に区分されることになるが,保健指導の実施者については,「医師」「保健師」「管理栄養士」が中心的な役割を担うと説明.各区分における具体的な支援内容等を示しながら解説を行った.また,保健指導に当たっては,対象者の行動変容を促進できるような教材の選択や,自己決定の促しなどが重要な視点になることなどを説明した.
 田中一哉国民健康保険中央会理事は,保険者の立場から,特定健診・特定保健指導における,医師・医師会の指導・協力の必要性を強調した.
 深田修厚労省大臣官房参事官・保険局総務課医療費適正化対策推進室室長は,特定健診・特定保健指導の実施体制について講演.医療保険者と健診機関等の健診委託契約パターンとして,医師会関係では,(一)市町村国保と都道府県医師会等,(二)被用者保険の被扶養者健診における,代表医療保険者(保険者協議会等)と都道府県医師会等―などが考えられると述べた.また,後期高齢者支援金の加算・減算についても説明がなされた.なお,保険者と健診・保健指導機関の契約準備等については,これからの問題とした.
 つづいて,漆育子日本看護協会常任理事が,「日本看護協会の取り組み」を,中村丁次日本栄養士会会長が,「日本栄養士会の取り組み」をテーマに,それぞれ講演を行った.
 内田健夫常任理事は,「特定健診・特定保健指導 医師会の役割」と題する講演のなかで,医師会と保険者協議会とのかかわりの重要性を強調.保険者協議会への都道府県医師会の正式参加を検討して欲しいと述べた.
 また,同常任理事は,地域・職域を網羅した健康づくり政策の推進を担う,地域・職域連携推進協議会の役割を説明したうえで,すべての地域医師会が必ず参加して欲しいと要請した.
 さらに,特定健診・特定保健指導では,医療保険者による健診データの管理等により,保険者機能が強化されると指摘.そこで,医療保険者の適正な運用を担保するための機関として,地域・職域連携推進協議会が,第三者評価機構や不服審査申し立て・審査機関等の役割を果たす方向で検討が行われていることなどを報告した.
 事前に都道府県医師会から寄せられた質問や,研修内容に対するフロアーからの質問に対して,活発な質疑応答が行われた.
 なお,協議会(研修会)の資料・講演内容等は,日医ホームページ(http://www.med.or.jp/chiiki/kenshin/index.html)を参照されたい.

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