日医ニュース
日医ニュース目次 第1100号(平成19年7月5日)

中医協(6月20日)
生体部分肝移植の保険適用対象の拡大を決定

中医協(6月20日)/生体部分肝移植の保険適用対象の拡大を決定(写真) 中医協の診療報酬基本問題小委員会が,六月二十日に都内で開催され,生体部分肝移植の保険適用対象を拡大することが決定した.
 生体部分肝移植は,平成十年四月より保険適用となり,平成十六年一月にはその対象疾患が拡大されていた.これまで,肝硬変に肝がんを合併している場合には,ミラノ基準と呼ばれている論文をエビデンスとして適用拡大がなされていた.しかし,その条件を満たした場合に限定することが明記されていなかったことから,医療現場では解釈の食い違いが起こっていた.また,今般,新たなエビデンスが蓄積されたため,肝移植関連五学会からも,保険適用の見直しに係る「要望書」が提出されていた.
 この状況を受けて,六月十九日に開催された中医協医療技術評価分科会で,保険適用の拡大について検討がなされたが,その結果を踏まえて基本問題小委員会でも議論が行われることになった.
 当日の小委員会では,吉田英機医療技術評価分科会長から,分科会での検討内容および生体部分肝移植の対象疾患に関する改正案について説明が行われ,保険適用を拡大することが了承された.
 厚生労働省では,今回の改正により,対象患者を最大百例,その財政影響は約五億円と推計している.
 なお,当日は,診療報酬改定結果検証部会も開催された.
 平成十九年度特別調査としては,(1)ニコチン依存症管理料算定保険医療機関における禁煙成功率の実態調査(2)後発医薬品の使用状況調査(以上平成十八年度からの継続調査)(3)セカンドオピニオン外来実施医療機関の利用状況調査(4)生活習慣病管理料算定保険医療機関における患者状況調査(5)地域連携診療計画管理料算定保険医療機関における連携体制等の状況調査(6)紹介率要件の廃止に伴う保険医療機関への影響調査(7)医療安全管理対策の実施状況調査(8)褥瘡管理対策の実施状況調査(9)透析医療に係る改定の影響調査─の九つの調査を実施することが決定している.
 当日の部会には,各調査の実施案および調査票(案)が示され,調査の目的,実施方法などについて議論が行われた.各委員からは,調査票(案)に関して,文言修正等の意見が挙げられ,調査票(案)を若干修正し,調査を実施することになった.
 今後は,七月から調査が開始され,九月以降に順次その結果が報告されることになっている.

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