日医ニュース
日医ニュース目次 第1104号(平成19年9月5日)

日医定例記者会見

8月22日
最近の医療費動向に見る問題点と提言

 中川俊男常任理事は,厚生労働省が八月八日に公表した「平成十八年度医療費の動向」などを基に,最近の医療費動向に見る課題を指摘した.
 医療費の伸びについては,「算定ベースで,伸び率〇・一%,医療費の自然増は従来と同程度の三〜四%になっている」との厚労省の解説に対して,「支払基金などのデータによる確定ベースではマイナス〇・二%であり,二〇〇一年度以降の平均は二・八%.自然増が三〜四%あれば,診療報酬がマイナス三・一六%であっても,医療費は,マイナス〇・一六%〜プラス〇・八四%にとどまるはず.三〜四%は過大に見積もり過ぎ」と反論した(図).そのうえで,「実態を踏まえた医療費推計を行うべきであり,過大な医療費推計は,さらに無理な抑制を招く」と主張した.
 さらに,医療費配分の不均衡について言及し,「病院の一日当たり点数は,DPC導入病院では,前年比プラス七・六%と非常に高い伸びを示し,それ以外では〇・二%の伸びにとどまっている.また,一日当たりの入院医療費についても,大学病院と,それ以外の病院との格差が広がっている.一方,診療所(外科系)では,二〇〇一年度以降の入院外医療費の伸び率がマイナスである」と指摘.「大学病院は,民間医療機関と同じ土俵(七対一入院基本料の算定など)に上がることをやめるべきである.逆に,医療費抑制のツールとして使われやすいDPCの導入は,本来の目的に戻し,大学病院,特定機能病院に限定すべき.そして,大規模病院から,地域を支える医療機関に医療費財源をシフトすべきである」と提言した.
 また,二〇〇八年度予算概算要求基準(シーリング)で,社会保障費二千二百億円削減が,機械的に設定されたことについても,不満を表明.
 「医療費の自然増を二〇〇六年度までの二・八%で試算してみると,厚労省の見通し(自然増四・二%)より,千百六十八億円少なく,医療はこのまま推移するだけで,削減目標はほぼ達成されることになる.しかし,今こそ,もっと医療費を増やさなければ,地域医療は壊滅状態になる」と強調した.
 同席した,唐澤人会長は,「国の医療費抑制策が,患者の負担増につながっており,本来,医療を受けなければならない人が受診を控え,かなりの受診抑制になっている.特に高齢者の負担増大が心配である」と危惧した.

日医定例記者会見/8月22日/最近の医療費動向に見る問題点と提言(図)

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