日医ニュース
日医ニュース目次 第1111号(平成19年12月20日)

日医定例記者会見

11月21日
財政制度等審議会の建議に反論

 中川俊男常任理事は,十一月十九日に財政制度等審議会がまとめた,「平成二十年度予算の編成等に関する建議」に対して,日医が強く主張する点について見解を述べた.
 「医療費抑制」については,(一)平成二十年度予算の考え,(二)社会保障給付費の予測,(三)医療費予測─の三点を挙げた.
 (一)平成二十年度予算の考えとして,医療を中心に削減努力を行うとの記述に対し,日医は,小泉政権下から今日までの,厳しい医療費抑制による診療報酬の推移について触れ,『経済財政改革の基本方針二〇〇七』(六月十九日に閣議決定)の記述「平成二十三年度までの五年間に実施すべき歳出改革の内容は,機械的に五年間均等に歳出削減を行うことを想定したものではない.それぞれの分野が抱える特殊事情や,すでに決まっている制度改革時期とも連動させ(以下略)」を尊重すべきとし,診療報酬引き上げの必要性を強調した.
 (二)社会保障給付費の予測について,日医が,厚生労働省の経済前提を踏まえて計算した診療報酬改定要望率に対して,財政審が「高すぎる」と指摘した件を取り上げ,厚労省の経済前提に問題があるならば,財務省がその点を是正すべきとした.
 (三)医療費予測について,建議では,一人当たりの医療費伸び率を,一般医療費二・一%,高齢者医療費三・二%として計算している.しかし,この伸び率は,一九九五〜九九年度の実績平均を用いたもので,推計は過大であるとした.
 「国際比較」について,建議では,「医療費の国際比較については,国ごとに制度が異なることを留意する必要あり」と記述しているにもかかわらず,直後のページに,病床数,入院日数,外来受診回数について,諸外国との比較が記述されていることを指摘.記述内容の基本的考えを統一すべきであると述べた.
 「医師不足の認識」について,建議では,医師数が毎年三千五百〜四千人程度増加していることを示し,医療費抑制は医師数に影響を与えていないとしている.しかし,ここでの医師数の増減は,医学部入学以前となる六年以上前の数字であり,最近取り上げられている,医師不足による勤務医の厳しい勤務環境は,医療費抑制の結果であると述べた.
 「保険者間の財政調整」については,保険料により調整を行うことが適切との建議の記述に対して,日医でも,かねてより公平化を主張しており,社会保障という観点から,財政調整に関しては同意を示した.
 同常任理事は,十一月七日の定例記者会見でも,財政審に対する見解を示しており,今回の建議を受けても揺らぐものではないと強く主張した.

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