日医ニュース
日医ニュース目次 第1116号(平成20年3月5日)

平成19年度都道府県医師会廃棄物担当理事連絡協議会
廃棄物処理の適正化を目指して

平成19年度都道府県医師会廃棄物担当理事連絡協議会/廃棄物処理の適正化を目指して(写真) 平成十九年度都道府県医師会廃棄物担当理事連絡協議会が,二月十三日,日医会館小講堂で開催された.
 冒頭,竹嶋康弘副会長は,「昨今の医療費抑制策により,在宅医療患者が増加しているなかで,多くの市町村では,在宅医療廃棄物の感染リスクを恐れ,収集を拒む傾向にある.在宅医療廃棄物を訪問看護師が持ち帰る等の,不自然な現状を改めるため,また,在宅医療患者が廃棄物の処理に汲々とするような現状を打破できるよう,日医として初めて行う本協議会で得た知識を活用して欲しい」とあいさつし,協議会開催の意義を強調した.
 議事に移り,宮崎元伸感染性廃棄物等に関する検討委員会委員長(さいたま市保健福祉局企画監)から委員会の審議報告が行われた.平成十八年に唐澤人会長より,諮問「在宅医療廃棄物の適正処理の方策」を受け,平成十九年二月に答申したことを説明するとともに,在宅医療廃棄物の感染の可能性や,具体的な処理方法などを「在宅医療廃棄物適正処理ガイドライン」としてまとめたこと,また,要約版「在宅医療廃棄物の取扱いガイド」も作成したので,活用して欲しいと述べた.
 つづいて,今村聡常任理事が,自治体においては,在宅医療廃棄物の安全性が理解されていない現状を報告.現在,環境省でも,手引書を作成中であるとしたうえで,今後の対策としては,委員会で作成したガイドを活用し,市区町村担当者へ,専門家である医師が進んで説明することが重要であるとして,その活動への協力を求めた.また,看護職の立場から,矢野久子名古屋市立大学看護学部教授が,名古屋市内の訪問看護ステーションにおける,在宅医療廃棄物処理方法について独自に調査した結果を基に,「訪問看護処理マニュアル」を作成し,活用していることを報告した.
 岡田淳大東文化大学スポーツ・健康科学部教授は,特別管理産業廃棄物管理責任者講習会について,昨年度から,感染および感染症の基礎,廃棄物の委託基準,法令面等の内容を新たに盛り込んだテキストを使用することで,受講者が国家資格を取得できるようになったと説明.産業廃棄物の適正な処理のためにも,ぜひ講習会に参加して欲しいと,積極的な参加を呼び掛けた.
 また,今村(聡)常任理事が,手書きマニフェストによる帳簿記載の軽減措置については,環境省の了承を得て,すでに,日医から都道府県医師会へ通知済みであることを報告し,会員への再度の周知徹底を依頼した.
 都道府県医師会からの活動報告では,(一)岩動孝岩手県医副会長から,県内の産業廃棄物処理場の現状や在宅医療廃棄物回収の問題点,(二)目澤朗憲東京都医理事から,医師会に入会することで個別に契約することなく,利用可能な電子マニフェストを利用した新システム「東京都医師会・医療廃棄物適正処理推進事業」について,(三)石坂恭一静岡県・磐周医理事から,七郡市医師会により独自に構成された,産廃監視機構による,収集運搬業者に関する調査・監視活動や,その情報開示への取り組み,(四)鈴木勝彦静岡県医副会長から,本年四月の運用開始を目指した,静岡県における電子マニフェスト推進計画─の説明が,それぞれあり,出席者との間で活発な質疑応答が行われた.
 最後に,岩砂和雄副会長の総括で閉会した.

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