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第1128号(平成20年9月5日) |
緊急レセプト調査の最終結果を公表
総点数は前年同期比0.31%減 特に診療所にマイナス影響大

日医は,八月六日の定例記者会見で,緊急レセプト調査(四〜六月分)の最終結果を公表した.
今回の調査では,総点数の前年同期比が全体で〇・三一%減(診療所一・八五%減,病院〇・六八%増)となっていることや,外来管理加算の見直しによる診療所へのマイナス影響が,八百億円を超える可能性があること等が明らかになった.
本調査は,診療報酬改定の結果,理論上のあるべき収入が確保されているかどうかを検証するために,日医のA(1)会員の医療機関(病院六千九百三十一,診療所七万六千七百二)から,それぞれ二十分の一を都道府県別に無作為抽出し,行われたものである.有効回答率は,診療所三五・四%,病院四五・五%であり,全国の診療所の一・四%,病院の一・九%をカバーしていることになる.以下は,その主な結果である.
総点数は,前年同期比で診療所が一・八五%減,病院が〇・六八%増,全体では〇・三一%減となっていた(図).平成二十年度の診療報酬改定における診療所から病院への支援は,医療費ベースで〇・二%相当であることから考えると,診療所には厳しい改定であったと言える.
総件数では,前年同期比で診療所が〇・三一%減,病院が〇・四一%減,全体では〇・三四%減となっており,特に診療所の入院で二・二六%減と大きく減少していた.また,総日数では,前年同期比で診療所が二・六五%減,病院が二・一二%減,全体では二・四五%減となっていた.
一件当たり点数では,前年同期比で診療所が一・五四%減,病院が一・〇九%増,全体では〇・〇二%増となっていた.病院では,入院,入院外ともに増加している一方で,診療所の入院外は一・五八%減となっており,病院との差は大きく,この点からも診療所には厳しい改定と言える.
一件当たり日数では,前年同期比で診療所が二・三五%減,病院が一・七二%減,全体では二・一二%減となっていた.入院外は,診療所で二・三四%減,病院で二・六五%減と大きく落ち込んでおり,主に長期投薬の影響と考えられる.
一日当たり点数では,前年同期比で診療所が〇・八二%増,病院が二・八六%増,全体でも二・一九%増となっていた.病院の入院外では四・一二%と最も高い伸びを示しており,その要因としては,一般病床二百床未満の病院における再診料の引き上げ(五十七から六十点),外来管理加算の引き上げ(後期高齢者四十七から五十二点)による影響も考えられるが,これは一部で,他の複合的な要因もあると思われる.
後期高齢者については,三要素(総点数,総件数,総日数)すべてで,前年同期比マイナスとなっており,後期高齢者が増加している中で,入院外の総件数ですら,診療所で〇・七四%減,病院で一・三三%減となっていた.
今回の調査では,平成二十年度の診療報酬改定で実施された外来管理加算の意義付けの見直しの影響についても調査を行った.
その結果,外来管理加算の算定回数は,診療所で前年同期比二六・三八%減,病院で二七・九九%減と大きく減少していることが分かった.平成十九年度の診療所の外来管理加算の算定額を,厚生労働省の「平成十九年社会医療診療行為別調査」から計算すると,年間二千八百十九億円となる.これを基に,今回の調査で明らかになった算定回数の減少率を勘案して,平成二十年度の算定額を試算してみると,二千七十五億円となることから,算定回数の減少だけで,診療所には七百四十四億円減の財政影響が出ることになる.
さらに,診療所では後期高齢者の外来管理加算が五点引き下げられたことから,その影響も加味すると,外来管理加算の見直しによる診療所への財政影響は,当初の予測(診療所から病院への追加的財政支援は四百億円強で,そのうち外来管理加算の見直しによるものは百数十億円)をはるかに超えた八百億円以上にのぼる可能性があることが明らかとなった.
八月六日の定例記者会見で,調査結果を説明した中川俊男常任理事は,まず,総点数が〇・三一%減になったことについて,「厚労省は,制度改正や診療報酬改定のない年の医療費の伸びを三〜四%としており,それに従えば,診療報酬全体の改定率がマイナス〇・八二%であった今年も医療費(総点数×一〇)は二%以上伸びるはずである.しかし,本調査の結果では全体で〇・三一%の減少に止まっており,本来あるべき医療費の自然増は見られない」と主張.厚労省は医療費の伸びについての見解を下方修正すべきであり,その伸びに基づいて行われている医療制度改革等の方向転換を図るべきであるとの考えを示した.
また,後期高齢者において,三要素のすべてで,前年同期比マイナスとなったことについては,本年四月から後期高齢者医療制度が始まり,保険料の負担増や年金からの天引きが,患者一部負担も増えるかのようなニュアンスで伝わったこともあり,後期高齢者の受診抑制が働いた恐れがあると分析.「今後の受療率等の動向を注視するとともに,後期高齢者医療制度のあり方についても,再提案を行っていきたい」と述べた.
さらに,診療所に八百億円を超えるマイナス影響が出る可能性があることに関しては,「診療所から病院への財政支援による影響が予想以上になっている可能性がある.中医協でも外来管理加算に関する調査が行われつつあるが,日医としても早急に検証し,何らかの手当てを求めていきたい」とした.
(調査結果の詳細は,日医ホームページ(定例記者会見8月6日)を参照)

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