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第1131号(平成20年10月20日) |
社会保障審議会介護給付費分科会
介護報酬改定について日医の意見を示す

社会保障審議会介護給付費分科会が,10月3日,都内で開催された.
当日は,平成21年4月の介護報酬改定に関する議論の本格化に向け,三上裕司常任理事が,日医の意見を取りまとめた資料を提出し,説明を行った.
日医の意見は,六項目から構成されており,(一)介護サービス提供体制の充実と環境整備については,「利用者が状態に合った最適なサービスを受けるためには,多職種協働による適切なケアマネジメントが必須であり,原資の確保を図る観点から介護報酬引き上げが必要」,(二)補足給付の見直しについては,「生活保護による対応を含めた介護保険制度内での低所得者対策のあり方の検討」,(三)適切な医療サービスの提供については,「介護老人福祉施設での配置医師の役割の明確化,ならびに介護老人保健施設での実施可能な診療行為の見直し・再検討」「医療の必要性のある在宅要介護者への対応は,地域の有床診療所や中小病院を中心に検討」,(四)施設の基盤整備に関して,「療養病床再編に伴い介護療養型医療施設入院者が不利を被らないよう検討」,(五)認知症高齢者に関して,「認知症は疾病であるという認識の国民への啓発」「認知症サポート医等の活用による,医療と介護のシームレスな連携」,(六)リハビリテーションの充実については,「訪問リハビリのサービス提供の専門性の確保と,連携等の仕組みの見直し」「通所リハビリのサービス提供時間の評価見直し」─等を要望している.
三上常任理事は,「高齢者が必要な医療・介護サービスを受けることができるような環境の整備が大切であり,医療難民,介護難民を生まないために,施設・居宅などの適切な組み合わせが大切である」と述べ,介護報酬の引き上げを要望した.
また,当日は,平成二十年介護事業経営実態調査結果が示され,前回(平成十七年)調査に比べて収支差率が低下しているサービスの多くは,人件費の伸び等を背景に支出が増加している傾向があり,利用者一人当たりの収入が増加しているサービスや,職員一人当たりの訪問回数が増加しているサービスの収支差率が増加していた.地域別では特別区(東京二十三区)の収支差率が低く,規模別では,小規模事業所が低い傾向にあり,その理由として人件費比率の高さが示唆され,都市部および小規模事業所ほど厳しい経営を強いられている状況が浮かび上がった.
三上常任理事は,まず,今回の実態調査の内容が本分科会よりも先に公開され,新聞等で報じられたことについて,「調査結果は本来,本分科会で議論を行い,結果として公表されるべきではないか」として抗議し,実態調査の結果については,「抽出率と回収率を見ると,調査結果にバラつきがあるように見える.定点調査を取り入れて比較すべきではないか」と述べた.これに対し,厚生労働省事務局から,「来年度の予算要求で,平成二十一年四月の改定結果を調べる調査を検討しており,その際に,一部定点で調査を行えるように考えている」と回答があった.
介護従事者等関係の検討では,同常任理事は,「介護職員等の処遇改善,給与水準を引き上げる議論に移っているが,どれぐらいの水準が妥当であるのか示すべき.例えば,公務員として所属する看護師などを目安としてはどうか」などの提案を行った.
これに先立ち,九月二十五日に都内で行われた分科会では,介護老人福祉施設等における「重度化対応加算」等の経過措置の検討が行われた.入所者の重度化に対応し,夜間を含めた看護・看取り体制の整備を目的として,平成十八年四月に創設された「重度化対応加算」および「夜間看護体制加算」は,算定要件として,「常勤の看護師を一名以上配置し,看護に係る責任者を定めていること」を含んでいるが,常勤の看護師を確保するための期間として,看護職員でも算定可能とする経過措置が設けられた.さらに,加算算定の実態調査を行うため,平成二十年九月末まで経過措置は延長された.
同日,厚労省事務局から,調査結果についての説明があった.調査は,重度化対応加算等の算定状況,施設の状況,看護師確保対策の状況などについての設問で,常勤看護師がいないため准看護師で算定している施設は,回答した四千四百九十一施設のうち,三百三十二施設(七・二%)であった.調査結果から,看護師の募集を行っても,求職者が現れなかったり,賃金の安さや責任の重さによって断られ,確保に至らないケースがあることが示された.
三上常任理事は,「これら加算要件は,平成十八年の改定において決められたことであり,経過措置として二年半継続されたことで,一定の役割を担ったと考えている.これらの加算についても,各施設の実態を踏まえて,分科会の中で検討し,来年の改定で新たな形の重度化対応加算要件を考えていきたい」と述べた.
各委員からは,「夜間の看護配置を個別に評価してはどうか」「看護師の確保を重視すべき」などの意見が挙げられた.
大森彌分科会長は,「今までの経緯を踏まえ,経過措置を終了とする.次回の改定に向けて,看護体制等をどのように確保するか検討し,新しい仕組みを考えたい」と締めくくった.
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