日医ニュース
日医ニュース目次 第1136号(平成21年1月5日)

社会保障審議会介護給付費分科会(平成20年12月3,12日)
介護報酬改定審議報告案を基本合意

社会保障審議会介護給付費分科会(平成20年12月3,12日)/介護報酬改定審議報告案を基本合意(写真) 第六十一回社会保障審議会介護給付費分科会が,昨年十二月三日に都内で,第六十二回同分科会が,十二日に厚生労働省で開催された.
 これまでの議論を踏まえて,平成二十一年度介護報酬改定に関する審議報告の取りまとめが行われた.
 審議報告案では,介護従事者の離職率が高く,人材確保が困難である状況から,介護従事者の処遇改善,利用者への質の高いサービスの提供を主旨に,(一)介護従事者の人材確保・処遇改善として,「負担の大きな業務への評価」「専門性への評価・介護従事者の定着促進」「人件費の地域差への対応」,(二)医療との連携や認知症ケアの充実として,「医療と介護の機能分化・連携の推進」「認知症高齢者等の増加を踏まえた認知症ケアの推進」,(三)効率的なサービスの提供や新たなサービスの検証として,「サービスの質を確保した上での効率的かつ適正なサービスの提供」「平成十八年度に新たに導入されたサービスの検証及び評価の見直し」─について,改定の基本的な考え方が記されている.
 また,各サービスの報酬・基準見直しの基本方向として,それぞれのサービス形態に合わせた評価方法が示されており,今後の方向性として,今回の介護報酬改定における介護従事者の処遇改善への影響,介護サービスの質の評価指標などの検証が求められるとしている.
 その他,次期介護報酬改定に向け,医療と介護の整合性,低所得者対策,報酬の簡素化等の検討が必要であるとし,具体的に介護事業経営実態調査等の調査手法や,結果の検証の場を設けること,補足給付や「介護サービス情報の公表制度」に関し,必要な検討を実施する等についても,着実に対応することを求めると明記された.
 報告書の検討に当たり,「介護予防支援業務の業務実態」「サービス提供責任者の報酬上の評価及び人員配置基準の見直し」が説明資料として示された.
 三上裕司常任理事は,同分科会での議論が行われている段階で,唐突に介護報酬改定率が示されたことについて遺憾であると発言.自民党社会保障制度調査会介護委員会等での委員の発言を基に,改定率の引き上げの可能性について意見を求めた.また,「介護サービス情報の公表制度」に関し,調査費用の負担について,明確に議論された形跡がないとして説明を求めた.
 さらに,審議報告案については,勤続年数に対する評価,夜間対応型訪問介護事業所のオペレーターの資格要件,介護老人保健施設での基準を上回る加配の評価などについて意見を述べた.
 また,今回の審議報告に加えられた「事業者が行う介護従事者の処遇等に関する情報の公表」について,「個々の事業所の給与等の処遇を公表するとなると,小規模な事業所等では介護従事者個人が特定されかねないため,個人情報とプライバシーの保護の観点から問題である」として,事業者の公表の手引きの策定を国が推進することについて疑問を呈した.
 今回の議論により文言が訂正され,審議報告案は基本合意に達した.大森彌分科会長からは,市町村等での報酬改定作業の事務負担等を考慮し,年内に介護報酬の諮問・答申を行いたいとの申し入れがあり,議論の進捗状況にもよるが,次回の分科会にて,諮問・答申となる予定.
 また,審議報告のほかに,「要介護認定の一次判定ロジックの見直し」について,「要介護認定調査検討会」での議論の報告として,平成二十一年四月より全面施行されるロジックの見直しに関する説明が行われた.
 同常任理事は,「要介護認定」について,検討を行う場が厚労省の審議会にないことに疑問を呈した.この件については,他の事業者団体からの委員や,利用者の立場である委員からも,現場や当事者からの意見を述べる場がないという意見が出された.
 これに対して,大森分科会長からは,「全体で検討する場について,考えてみるべきではないか」との考えが示され,厚労省からも,「多くの立場の人が入っている場での検討も必要と認識しており,今後検討を行いたい」との回答を得た.

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