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第1141号(平成21年3月20日) |
平成20年度臨床検査精度管理調査報告会
臨床検査精度管理調査事業のさらなる充実を目指して

平成二十年度臨床検査精度管理調査報告会が,三月六日,日医会館大講堂で開催された.
冒頭,あいさつに立った唐澤 人会長は,「日医の臨床検査精度管理調査は,わが国における臨床検査の精度管理調査の先駆けであるとともに,全国規模の精度管理調査として高い評価を得ている.日常診療において,正しい臨床検査データは,良質で安全な医療を提供するための基本となり,さらに健康診断などの疾病予防の場においても不可欠である.さらに,平成二十年四月から開始された特定健診・特定保健指導では,臨床検査精度管理の重要性がより一層重大なものになる」と述べ,本報告会が今後の臨床検査精度のさらなる向上につながるものとなるよう,参加者への理解と協力を求めた.
引きつづき,過去最高の三千百六十一施設が参加して行われた第四十二回臨床検査精度管理調査の報告に移り,(一)臨床化学一般検査(高木康 日医臨床検査精度管理検討委員会委員長),(二)酵素検査(前川真人副委員長),(三)脂質検査・甲状腺マーカー(利根川洋二委員),(四)HbA1c・腫瘍マーカー(佐守友博委員),(五)感染症マーカー・免疫グロブリン・尿検査(〆谷直人委員),(六)血液検査(高松純樹委員),(七)測定装置利用の動向(細萱茂実委員)─についての講評と,高木委員長からの総括が行われた.
その後の総合討論では,事前に寄せられた,検査データの共有化,試薬の標準化,標準物質の決定などの進捗状況,酵素検査,調査の測定値,尿定性機器の精度管理,臨床検査の他の分野の調査に関する方向性などについて質疑応答が行われた.
そのほか,血清クレアチニン値と新GFR推計式の併記の診療報酬対応や,本調査に参加していない施設に対して,周知・参加依頼をすべき,などの要望・意見が出された.
参加者は六百五十名.
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