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第1158号(平成21年12月5日) |
中医協(11月11・13・18・20日)
主要改定項目を集中審議

中医協が十一月十一,十三,十八,二十日に,それぞれ都内で開催された.
11月11日
基本小委
「認知症対策」「入院料」「在宅医療」「訪問看護」について,議論が行われた.
「認知症対策」では,診療側委員から,日医を通して得た日精協の論点に対する意見((1)退院した後の患者の扱い(2)ADL区分等では評価しきれない,症状の変動の大きい認知症患者を見る精神療養病棟等の評価(3)認知症疾患医療センターが少なく,地域の精神科のかかりつけの医師との連携が必須である現状における手当の方法)の説明が行われた.そのほか診療側からは,認知症等を見る場所として,中小病院を手厚く評価するとの提案があったほか,支払側からは,退院後のボランティア活動や,ADL区分,医療区分等の実態調査を行うべきとの指摘もあった.
「入院料」では,基本的な考え方についての議論がなされ,診療側は,入院基本料の全体的な底上げを強く要求した.一方,支払側からは,患者負担増の懸念が示され,一律の引き上げではなく加算等を含めメリハリを付けるべきとの意見が出された.
「在宅医療」「訪問看護」では,診療側から,在宅医療を行う地域の中小病院で患者を診る意見や,平成二十年度診療報酬改定時に創設された在宅療養支援病院の四キロメートル要件の緩和を求める声が上がった.支払側からは,往診回数にインセンティブを付ける考えが示された.
11月13日
保険医療材料専門部会
平成二十二年度保険医療材料制度改革の論点(案)に基づいて,議論を行った.
「内外価格差」については,新規医療材料の材料価格を,外国平均価格の一・五倍とする根拠を示して欲しいとの意見が出されたほか,国内外の企業に対するメリットについても議論された.
「イノベーションの評価」では,評価の申請数が少ない原因は,要件が不明確で,保険適用されるまでの期間が長いからではないかとの意見が出された.
「為替レート」に関しては,専門委員が,企業の開発意欲を削ぐことのないよう緩やかな変動幅を用いることを求めたのに対して,診療側からは診療報酬ではなく,別な補助の方法もあるのではないかとの意見が出された.
基本小委
会議の冒頭,厚生労働省事務局より,前日に行われた行政刷新会議WGの事業仕分けの報告がなされた.各委員からは,議論の内容に対して疑問の声が上がり,中医協として,今回の事業仕分けの議論に対する声明文を出すべきとの提案も出された.しかし,慎重な意見も出されたため,現段階では声明を発することは見送りとなった.
引き続き,「医療機関連携」「入院医療における多職種共同の取り組み」「感染症対策」について議論が行われた.
「医療機関連携」では,診療側から脳卒中の医療計画に対し,退院調整を一週間とする要件の緩和,退院後のリハビリに対する評価も求めた.支払側からは,「診療報酬,介護報酬が同時に改定される二年後まで待つのではなく,今日出来ることはしっかりやって欲しい」との要望や,地域の実情に合わせた評価として,人員要件ではなく質の評価を求める意見や,同じサービスに同じ対価を払うという分かりやすい評価を求める意見が出された.
「入院医療における多職種共同の取り組み」では,診療側から,チーム医療の重要性と評価を求める一方で,入院基本料を上げることも選択肢の一つとの意見も出された.支払側からは,要件設定の明確化を求める意見が出された.
「感染症対策」では,特に肝炎対策で,健診でキャリアが発見されても治療する患者が増えないのは,所得階層の問題と補助金が少ないからであるとの指摘がなされた.
なお,長妻昭厚生労働大臣が初めて中医協に出席し,あいさつを行った.
11月18日
総会
医療経済実態調査の結果に対して,健保連,全日本病院協会,日歯,日薬からそれぞれ見解が示された.
議論では,診療側から,調査の実施方法に関して,経年変化を見るためにも,これまで日医が主張してきたように,毎年定点調査を実施すべきとの意見が出されたほか,今回の結果を踏まえ,診療報酬の引き上げを求める意見が多く出された.
これに対して,支払側からは昨今の経済状況からすれば診療報酬だけを上げる状況にないとして,反対の意向が示された.
基本小委
「医療技術の評価」「リハビリテーション」「医療安全に関する体制」について,議論が行われた.
「医療技術の評価」では,吉田英機診療報酬調査専門組織・医療技術評価分科会長から,医療技術の評価・再評価に関する一次評価結果の報告が行われ,七百三十一件のうち三百四十四件(新規百五十九件,再評価百八十五件)が二次評価で検討されることとなった.
また,手術の相対評価については,将来的に,データが精緻化された段階で外保連の試案を用いることが了承された.
「リハビリテーション」では,診療側から,特に運動器リハにおける総合リハの復活や,廃用症候群の患者に対するリハビリテーションの評価を求める意見等が出された.また,前回改定で回復期リハビリテーション病棟入院料に試行的に導入された質の評価に関しては,継続していくことに異論は示されなかったが,その要件について意見が分かれた.
「医療安全に関する体制」では,多くの診療側委員から,評価点数の引き上げや要件緩和を求める意見が出された.医療安全の重要性については支払側も理解を示したが,その評価方法については引き続き議論することになった.
その他,遠藤久夫委員長から,手術に関して,現場の医師からヒアリングを行いたいとの提案があり,了承された.
11月20日
薬価専門部会
薬価維持特例の導入について,専門委員から再度説明が行われたが,今改定で行う必要性や,未充足の医療ニーズやドラッグラグの解決に向けた製薬会社側の担保について,疑問視する意見があり,継続審議となった.
基本小委
「後発医薬品の使用促進」「療養病棟・有床診療所」について,議論が行われた.
「後発医薬品の使用促進」では,診療側から,先発品と後発品の同等性の確保と,その周知が必要との意見や,同一成分の後発品が多数存在することにより在庫の確保が難しいとの指摘があった.また,病院内の薬事委員会等で,後発品使用の検討を行う体制への評価については,出来高評価病院だけでなく,包括評価算定病院もその対象とすべきとの意見が出た.
「療養病棟」では,療養病床の収支から,療養病棟入院基本料の,医療区分1の点数の低さが指摘され,医療区分の患者分類と点数の妥当性について検討することとなった.
「有床診療所」では,診療側から,日医を通じて届けられた有床診療所からの要望を基に,有床診療所が果たしている五つの社会的役割を説明するとともに,有床診療所入院基本料の逓減制の緩和や評価を求め,支払側からも賛同する意見が示された.そのほか,診療科や地域の特性を配慮した評価についても検討すべきとの意見もあった.
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