日医ニュース
日医ニュース目次 第1166号(平成22年4月5日)

感染症危機管理対策協議会
新型インフルエンザ対策について報告

感染症危機管理対策協議会/新型インフルエンザ対策について報告(写真) 感染症危機管理対策協議会が三月十一日,日医会館小講堂で開催された.
 飯沼雅朗常任理事の司会で開会.冒頭のあいさつで唐澤人会長は,「日頃より都道府県医師会には,地域の感染症対策に尽力いただき,感謝申し上げる」と謝辞を述べるとともに,新型インフルエンザの対応について,インフルエンザが特異なウイルス感染症であるがゆえに,その対策が困難であり,また,国の方針が二転三転するなかで,緊急の判断を要し,苦渋の選択を迫られることもあったとし,理解を求めた.
 つづいて,正林督章厚生労働省健康局結核感染症課・新型インフルエンザ対策推進室長が,「新型インフルエンザA(H1N1)対策」として,今回の傾向について,若年者の感染率が高かったこと,第一波と第二波のピークに十八週ほどの間隔があったことを説明.重症度の各国比較では,日本の人口当たりの死者数が非常に少なかったことを報告した.
 今回,日本が行った戦略として,水際作戦・封じ込め作戦による時間稼ぎ,医療体制の整備,ワクチン供給,普及・啓発などを説明.また,今後は最悪の事態を想定した危機管理意識と,迅速かつ透明性の高い意思決定が重要になるとし,現場の意見を直接聴取する仕組みや現場に伝える仕組みを考えたいとした.
 次いで,(一)仙台市医師会,(二)豊橋市医師会,(三)沖縄県医師会─から,各地域の取り組みについて報告が行われた.
 (一)では,永井幸夫仙台市医師会長が,二〇〇三年のSARS対策の経験から,感染症対策委員会を設置したことや医療提供体制について市と協議し,「メディカルアクションプログラム」の作成に医師会が積極的に関与したことを報告した.
 (二)では,鈴木敏弘豊橋市医師会理事が,医師会からメーリングリストで市内の発生情報を知らせる「新型インフルエンザ全数報告システム」を紹介.また,児童・生徒への蔓延を防ぐため,学校行事の実施の延期を呼び掛けたことを報告した.
 (三)では,宮里善次沖縄県医師会理事が,県内で感染が拡大したことについて,学校の休校措置を個別対応にしたことや,発生時期の直後に夏休み期間に入り,児童・生徒たちが人の集まる場所に外出する機会が増えたことが原因ではないかと説明した.その後の対応として,二次医療圏ごとの保健所,県立病院,医師会の連携が有効に機能したことを報告した.
 その後,各都道府県医師会から事前に寄せられた質問について協議が行われた.
 特にワクチン供給体制等に関して,正林室長は,現在,医療機関が保持しているワクチンについては,来るべき第二波に備えて欲しいと回答.これに対し飯沼常任理事は,今ある医療機関の剰余分は,患者がワクチン接種を重複予約したこと,多数のキャンセルが発生したこと等によるものであり,医療機関が過剰に注文したものでないと強調.返品等の対応を検討するよう厚労省に改めて申し入れた.
 また,正林室長は,ワクチンの十ミリリットルバイアルを作成した理由について,より早く多くの生産が可能であり,季節性ワクチンの生産ラインを確保するためであったと回答.しかし,診療所等では,使い勝手が悪く,混乱を招いたことは,最大の反省点であったと述べた.
 最後に,岩砂和雄副会長が総括し閉会した.参加者は百十五名.

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