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第1173号(平成22年7月20日) |
第7回高齢者医療制度改革会議(6月23日)
中間取りまとめに向け総括的議論を行う

第七回高齢者医療制度改革会議が六月二十三日,長妻昭厚生労働大臣らの出席の下,厚生労働省で開催され,日医からは,三上裕司常任理事が出席した.
会議の冒頭あいさつした長妻厚労大臣は,菅直人新総理大臣は“強い経済,強い財政,強い社会保障”を一体として実現するとしているが,厚労省としても,消費税の議論と同時に,“少子高齢社会の日本モデル”を示すべく取り組んでおり,そのなかで高齢者医療制度は中核であるとした.そのうえで,従来の消費型・保護型社会保障から参加型社会保障を目指し,自己決定権をもって病院・施設・在宅の選択が出来るような医療サービスが提供されることが重要だとした.また,実施中の高齢者医療制度に関する意識調査について,七月には結果を報告出来るとの見通しを示し,「八月の公聴会等も踏まえて,種々の意見をいただきながら丁寧に取り組んでいきたい」と述べた.
当日は,中間取りまとめに向けて総括的議論が行われた.
初めに,五名の委員(全国市長会,健康保険組合連合会,全国町村会,全国後期高齢者医療広域連合協議会他)から提出された資料について説明があった.
つづいて,厚労省から,(一)制度の基本的枠組み,(二)国保の運営のあり方,(三)費用負担((1)支え合いの仕組みの必要性(2)公費(3)高齢者の保険料(4)現役世代の保険料による支援(5)高齢者の患者負担),(四)医療サービス,(五)保健事業等―を柱とした「これまでの議論の整理」と「本日の議題に関する基本資料」が提示され,これを基に議論が行われた.
(一)制度の基本的な枠組みとしては,サラリーマンである高齢者や被扶養者は被用者保険に,それ以外の高齢者は国保に加入すること,(二)国保の運営のあり方としては,市町村国保を都道府県単位の財政運営とし,標準保険料率の設定,保険給付等は都道府県が,保険料の賦課・徴収等は市町村が行うこと,(三)費用負担としては,公費,高齢者の保険料,現役世代の保険料,患者負担の組み合わせとなるが,高齢者や現役世代の大幅な負担増加を抑制するために公費を投入すること―などの案が示された.
議論では,運営主体を都道府県とすることへの慎重論,国保間・年齢区分による保険料の格差や,世帯主以外の高齢者は保険料の納付義務がなくなることによる高齢者間の不公平を指摘する声,保険料による負担には限界があり,足りない分は公費とすべきといった意見,七十〜七十四歳の患者負担は経過措置をとりながら二割にすべきといった意見等が出された.
三上常任理事は,国保については,保険料算定方式の統一や都道府県単位の標準保険料率の設定などで,負担の公平はある程度は図られるのではないかとしつつ,被用者保険の保険料率の差を協会けんぽ並みに合わせた場合や,保険料賦課の所得上限を動かした場合の財政的影響を示すよう要望.また,七十〜七十四歳の患者負担に関連して,わが国の窓口負担は欧米と比べても高いと指摘したうえで,二割負担は受診抑制につながるとし,病気がちで有病率の高い高齢者は一割負担が妥当であると主張した.
さらに,高齢者の健康診査等を各保険者の義務とすることについては,予防に保険財源を使うことの是非についての根本的議論を求めたほか,「特定健診・特定保健指導等の努力が保険者機能として医療費適正化につながるというが,その効果がどの程度あるのかエビデンスを示して欲しい」と述べた.
岩村正彦座長(東大大学院教授)は,「公費負担については,最終的な負担者は誰かを考えつつ議論する必要がある.財政調整では,年齢で区分しつつ調整することは避けて通れないのではないか」との考えを示した.
次回は,中間取りまとめの案が提示される予定.
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