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第1173号(平成22年7月20日) |
中医協(6月23日)
次期薬価制度改革に向けた検討項目を決定

中医協薬価専門部会ならびに総会が六月二十三日,都内で開催された.
薬価専門部会では,まず,前田雅英委員の辞任に伴い,遠藤久夫会長が暫定的に務めていた部会長に森田朗委員を選出した後,厚生労働省事務局から平成二十二年度薬価制度改革の概要等について説明が行われた.
そのなかでは,新薬創出・適応外薬解消等促進加算の適用結果についても報告があり,加算要件を満たした医薬品は三百三十七成分六百二十四品目,加算率は加重平均で約四・九%,当該加算により薬価が維持された品目の割合は四八・六%であること,加算導入に伴い,財政影響を少なくするため,二・二%の追加引き下げが行われた後発品のある先発品は五百十三成分千四百七十二品目あることが明らかとなった.
議論では,次期薬価制度改革に向けた検討項目を,(1)先発品より高い後発品の取り扱い(2)後発品の収載品目数と薬価の大幅なばらつき(3)配合されている成分が特例引き下げを受ける場合の内用配合剤の取り扱い(4)原価計算方式による算定方法の取り扱い(5)新薬の処方日数制限(6)新薬創出・適応外薬解消等促進加算の継続の可否―等とすることが決定した.
また,新薬開発にも影響が出るとの指摘のあった「いわゆる二〇一〇年問題」(世界売り上げが二十億ドル以上の医薬品の約七五%が,二〇一〇年以降に特許切れを迎える問題)については,長野明専門委員が現状を説明し,今後の対応として,「『新薬創出・適応外薬解消等促進加算』の本格導入と恒久化」「収載後長期にわたり安定供給している医薬品に対する薬価上の措置」を求めた.
その他,当日の部会では,安達秀樹委員が気管支喘息の治療薬「ゾレア」を例として,規格と使用方法に乖離が見られる医薬品があることを指摘し,その改善を要求.今回の指摘を受けて,厚労省からは,用法用量に合わせた規格をそろえるようメーカーに協力を依頼するとの考えが示された.
総会では,医療上の必要性の高い未承認薬・適応外薬検討会議の堀田知光座長から,検討結果の報告を受けた.今回の報告は,未承認薬・適応外薬の開発に取り組むことが「新薬創出・適応外薬解消等促進加算」の要件となっており,同検討会議の検討結果を踏まえて開発要請されることになっているため,中医協でもその状況を把握する必要があるとの理由から,行われたものである.
堀田座長からは,(1)学会,患者団体等から三百七十四件の要望を受け,検討の結果,企業に対して九十一品目の開発要請を行ったこと(2)十一月以降に第二回目の開発要請を行う予定であること―などの報告がなされた.
これに対して,嘉山孝正委員からは,抗がん剤などの適応外薬のドラック・ラグ解消策として,薬理作用が同じであれば適応外使用の医薬品でも保険給付の対象とすることを認めた,いわゆる「五十五年通知」の適用拡大を求める意見が出された.
また,当日は,支払側が次期診療報酬改定に向けた今後の検討課題に関する意見を提出.診療側が五月二十六日の総会に提出した意見に対しては,「技術」と「モノ」の分離,ドクターフィーの導入などに慎重な検討を求めた.
今回支払側が意見を提出したことで,次期診療報酬改定に対する両側の意見が出そろったことから,厚労省事務局は,優先順位等を踏まえた検討項目案を,次回以降の総会に提出するとしている.
その他,診療側からは,卸やメーカーが,「新薬創出・適応外薬解消等促進加算」導入を理由として,医薬品の値引きに応じなかったり,価格の引き上げを行い,現場が混乱しているとして,厚労省にその対応を求める要望が出された.これに対して厚労省は,「加算はあくまでも薬価の算定方式であり,流通における価格交渉の問題とは関係ない」との考えを示すとともに,製薬工業団体にも協力を依頼していることを説明し,理解を求めた.
なお,今回の中医協での議論を踏まえて,日本製薬工業協会は七月一日,各メーカーや卸売業者に対して,医療関係者に誤解を与えることのないよう,「新薬創出・適応外薬解消等促進加算」の周知活動の自粛を要請する旨の文書を発出した.
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