日医ニュース
日医ニュース目次 第1173号(平成22年7月20日)

第26回社会保障審議会介護保険部会(6月21日)
介護保険制度の検討に向けて,「地域包括ケア研究会」報告書を議論

第26回社会保障審議会介護保険部会(6月21日)/介護保険制度の検討に向けて,「地域包括ケア研究会」報告書を議論(写真) 社会保障審議会介護保険部会が六月二十一日,都内で開催された.
 当日は,介護保険制度の検討を行うに当たり,「地域包括ケア研究会」の報告書を参考として取り上げ,議論が行われた.
 本報告書は,平成二十年度にまとめた「地域包括ケア研究会報告書〜今後の検討のための論点整理〜」等を受けて,平成二十四年度から始まる第五期介護保険事業計画以降を展望し,地域包括ケアシステムの在り方や地域包括ケアシステムを支えるサービス等について具体的な検討が行われたもの.
 報告書の構成は,基本認識から始まり,(一)地域包括ケアをめぐる現状と課題,(二)二〇二五年の地域包括ケアシステムの姿,(三)地域包括ケアシステムの構築に向けた当面の改革の方向(提言)―となっている.二〇二五年に目指すべき「地域包括ケアシステム」の姿として,おおむね三十分以内の日常生活圏域内で医療・介護,福祉・生活支援サービス等を適切に利用出来る体制と定め,重度者の在宅生活を支え切れていない等の現状の問題点を示し,国に対して,高齢者ケアの原則,自治体に対する権限移譲,参酌標準の柔軟化,居住の安定確保を提言し,そのほかに地域包括ケアシステムを支えるサービスの在り方などについてまとめている.
 議論では,各委員から報告書等について質疑応答が行われた.
 三上裕司常任理事は,当日提出された資料の経済産業省「産業構造ビジョン二〇一〇」において,医療,介護,高齢者生活支援関連の産業について,市場原理主義的な発想がうかがえることから,社会保障制度が後退しかねないと危惧し,報告書は同様の発想からまとめられたものではないことを確認.さらに,報告書の内容で,集合住宅での外付けサービスに関して,整備を進めることには賛同するが,一方で,独居高齢者や老老介護,認知症が増えていく状況を考えれば,医療的ケアが出来る施設も必要との見方を示した.
 また,特別養護老人ホーム等で基礎的な医療的ケアを行う介護福祉士に新たな資格を設ける動きがあることについて,「新たな職種を作って業務独占を増やすと,現在柔軟に対応している部分が対応出来なくなり,逆に窮屈になるのではないか」として,懸念を示した.
 その他の委員からは,「医療サービスと医療的ケア」「医療と介護の連携」「在宅サービスへの包括評価導入に対するメリット,デメリット」「保険者格差」「財源における保険料と公費の関係」「国民が納得する負担と給付のあり方」「支給限度額あるいは介護保険のニーズのあり方」などに意見が寄せられた.
 今回の議論を踏まえて,本部会や介護給付費分科会等では検討内容を定め,具体的な議論を開始する予定となっている.

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