日医ニュース
日医ニュース目次 第1177号(平成22年9月20日)

女性医師バンクから

男女共同参画やワークライフバランスについての講義の医学部教育カリキュラムへの導入促進について

 文部科学省では,現在,医学教育のモデル・コア・カリキュラムの改訂に向けた議論が開始されている.一方,女性医師支援センターでは,今年度の事業計画に新規事業として,「男女共同参画やワークライフバランスについての講義の医学部教育カリキュラムへの導入促進」を挙げている.これに基づき,先般,日医では,文部科学省政務三役ならびに「モデル・コア・カリキュラム改訂に関する連絡調整委員会」委員長に対し,原中勝征会長名で,要望書を提出したので,下記にその内容を紹介する.

平成22年7月1日

要望書

文部科学省政務三役 殿
モデル・コア・カリキュラム改訂に関する連絡調整委員会委員長 殿

社団法人 日本医師会
会長  原中 勝征

拝啓 時下ますますご清栄のこととお慶び申し上げます.
 平素より本会会務にご理解・ご協力を賜り,厚くお礼申し上げます.
 さて,本会では,厚生労働省からの委託事業である「日本医師会女性医師支援センター事業」等を通して,女性医師のキャリア継続支援に努めております.
 近年,医学部入学者に占める女性の割合は約3分の1となっており,若年層における女性医師の増加は著しいものがあることはご承知の通りです.一方,女性医師の年代別の就業率は,医学部卒業後,減少傾向をたどり,30歳代半ばがボトムとなるいわゆるM字カーブを描いております.これは女性医師が継続して就業することが難しい状況にあることを示しており,このことが医師不足の一つの要因と考えられます.
 女性医師が生涯を通じてキャリアを継続するためには,医学生の時期から男女共同参画について明確に理解しておくことが求められます.特に女子医学生には,医師としての使命感を持ち続けるとともに,結婚・出産・育児などのライフサイクルの中で,様々な支援を利用しつつ就業を継続していくことを強く意識させるような教育が必要であり,一方,男子医学生には,パートナーや同僚が母性を尊重しつつ仕事を継続できるような精神的・身体的なサポートを積極的に行うように意識させる教育が必要であります.
 つきましては,現在検討中のモデル・コア・カリキュラム改訂にあたって,男女共同参画やワークライフバランスについての講義を必修とするように本会として強く要望いたしますのでよろしくお願い申し上げます.

敬具

 なお,8月5日に開催された,第2回の「モデル・コア・カリキュラム改訂に関する専門研究委員会」には,保坂シゲリ常任理事が出席し,その趣旨を説明するとともに導入促進に向け委員に協力を求めた.これを受け,委員会では前向きに検討が進められている.

登録件数
求人1,084件(延べ3,109件),求職259名(延べ549名),就業および再研修決定230件(平成22年8月31日現在)

問い合わせ先

女性医師支援センター(女性医師バンク)
TEL:03-3942-6512 FAX:03-3942-7397

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