日医ニュース
日医ニュース目次 第1190号(平成23年4月5日)

日本医師会の東北地方太平洋沖地震対策について緊急記者会見
岩手・宮城・福島・茨城に日本医師会災害医療チーム「JMAT」を派遣

日本医師会の東北地方太平洋沖地震対策について緊急記者会見/岩手・宮城・福島・茨城に日本医師会災害医療チーム「JMAT」を派遣(写真) 日本医師会は,三月十一日午後二時四十六分頃に発生したマグニチュード九・〇の東北地方太平洋沖地震を受け,即日,災害対策本部を設置したが,三月十五日に日医会館で緊急記者会見を開き,具体的対策として,未曾有の大地震で甚大な被害を被った岩手・宮城・福島・茨城の四県に対し,「日本医師会災害医療チーム」〔JMAT(ジェイマット)=Japan Medical Association Team〕を派遣するため,早急に体制を整えることを公表した.
 冒頭,原中勝征会長が,「このたびの史上まれなる大規模地震で,二次,三次の自然災害や原子力発電所の事故が引き起こされた.被災された皆様に,心よりお見舞い申し上げる.日医としては,被災者救済の医療支援のために,全力を挙げて取り組んでいる.現在,被災された県医師会,郡市区医師会に,日本医師会災害医療チーム『JMAT』を派遣すべく,至急,手配をしているところである.また,日医内部に対策本部をつくり,全員一致協力している.被災者の方々に,少しでも寄与したい」と述べた.
日本医師会の東北地方太平洋沖地震対策について緊急記者会見/岩手・宮城・福島・茨城に日本医師会災害医療チーム「JMAT」を派遣(写真) 引き続き,石井正三常任理事が,自身も福島県いわき市の自院で被災したことを報告するとともに,JMATについて,以下のとおり説明した.
 JMATは一チームにつき,医師一人,看護職員二人,事務職員(運転手)一人を基本に,都道府県医師会が協力して構成し,支援内容は「被災地病院,診療所の日常診療への支援(災害発生前からの医療の継続)」と「避難所,救護所における医療」とする.派遣するのは,岩手,宮城,福島,茨城の四県で,派遣期間は一チーム三日〜一週間をめどに,一カ月の間,切れ目なく対応出来るシステムを構築する.チームの速やかな引き継ぎのため,事務職員が支援内容を記録する.
 四県に対する支援医師会の分担は,(1)岩手県:北海道ブロック,東北ブロック(青森・秋田),東京ブロック,関東甲信越ブロック,近畿ブロック(大阪・和歌山)(2)宮城県:東北ブロック(山形),東京ブロック,関東甲信越ブロック,近畿ブロック(兵庫・奈良),中国四国ブロック(3)福島県:東京ブロック,中部ブロック,近畿ブロック(京都・滋賀)(4)茨城県:九州ブロック―となっている.
 JMATの活動は,避難所における被災者への医療支援を中心に,支援先のニーズに応じて展開する.特に,四十万人もの被災者に加えて,避難所外の要医療・要介護の被災者への対応が求められることから,常時百チームの派遣を,一カ月間維持することを目標としている.
 経費の負担については,日医と都道府県医師会で負担し,日医では,当面,本活動を支援する各都道府県医師会に百万円ずつ支出する.災害救助法による対応が期待されるほか,二次災害については日医として独自に民間保険を含め検討中である(その後対応済).
 石井常任理事は,すでにJMATの一部が現地入りしていることを報告したうえで,志望する医師については,会員の有無を問わずJMATの傘のもとで支援する方針を表明.本事業については,被災県の知事,また,県医師会長と日医が連携して進め,派遣期間や受け入れのための諸準備については,受け入れ医師会と派遣医師会間での協議に委ねるとした.

このページのトップへ

日本医師会ホームページ http://www.med.or.jp/
Copyright (C) Japan Medical Association. All rights reserved.