日医ニュース
日医ニュース目次 第1192号(平成23年5月5日)

東日本大震災 現地からの報告(1)
3・11大震災から5週間が経過して

東日本大震災 現地からの報告(1)/3・11大震災から5週間が経過して(写真) 四月十五日,宮城県を訪れた中川俊男副会長,鈴木邦彦常任理事と共に,大震災の被災地である南三陸町(志津川)と石巻市を視察してきた.まず,最大の避難所がある志津川のベイサイドアリーナを訪問.救護所では各地からの医師団が活躍していた.避難所は前回訪問時(三週間前)とほぼ同じ人数の千四百人が生活しているとのことだった.玄関では炊き出しに長い列が出来ており,この方達が不便な避難所生活から解放されるのはいつなのだろうかと考えてしまった.
 イスラエルの支援隊が寄贈してくれたプレハブの施設および医療機器を使って,同日から公立志津川病院仮設診療所が再開した.ここでは保険診療が可能とのことだったが,中川副会長は,「被災者の保険診療の自己負担免除期間の延長はぜひ考えたい」と述べていた.同施設の鈴木隆院長,櫻田正壽副院長などとともに再開の記念写真を撮った(写真上).なお,当日の午後,一部地域で電気が回復したようであり,町の機能すべてを失った南三陸町でも,少しずつ復興の兆しが見えている.
 次に石巻市医師会の舛眞一会長と共に日和山公園から,石巻港方面を視察した.河口の両側は瓦礫の山となっており,かろうじて石巻市立病院がその概観を留めていた.ただし,病院機能としては不全で,公園近くの仮設診療所で診療を開始しているとのことだった.日和山公園では大勢の市民が花を手向け,廃墟に向かって手を合わせていた.石巻市では多くの会員が診療所を失い,再開に向けては問題山積である.湾岸沿いの工場群は,灰色一色で人気は全く無かった.
 今回,日医の役員の先生方に被災地を実際に見ていただき,今後の日医の復興支援に生かしていただければと思った.
 宮城県医師会では,災害対策本部を立ち上げた際に,まず被災地を視察し(情報の収集),次に災害対策本部の役割分担を決め(組織作り),そして活動したことを毎日ニュースとして会員に流すこと(広報)を決めた.
 発災後五週間が経ち,急性期から慢性期に移行しつつある.被災者は真の悲しみに襲われ,活動してきた医療関係者も疲労している.少しの悲しいニュースを聞いても,時として涙が止まらない.これから宮城県および東北地方の医療が立ち直るまでには長い年月が必要である.日医会員の先生方のご支援をいただきながら,復興に努めていきたい.

(宮城県医師会常任理事・日医広報委員 佐藤和宏)

甚大な被害を受けた医療機関:南三陸町
 

南三陸町の壊滅的な状況

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