日医ニュース
日医ニュース目次 第1195号(平成23年6月20日)

平成23年度近畿医師会連合定時委員総会
「東日本大震災からの復興,国民皆保険制度の堅持」等について決議を採択

平成23年度近畿医師会連合定時委員総会/「東日本大震災からの復興,国民皆保険制度の堅持」等について決議を採択(写真) 平成二十三年度近畿医師会連合定時委員総会が五月二十九日,大津市内で開催され,日医から原中勝征会長を始め,三上裕司・高杉敬久・鈴木邦彦各常任理事が出席した.

「医療保険・介護保険」「勤務医・地域医療」「医療安全・自浄作用」について分科会を開催

 第一分科会(医療保険・介護保険)では,診療報酬・介護報酬の同時改定に向けた対応と高齢化社会にふさわしい医療保険制度について協議された.
 診療報酬・介護報酬の同時改定に向けた対応については,各府県から今回の日医の同時改定見送りに関連する行動に対しての意見,留意事項通知や施設基準要件の見直しに関する要望等が出された.その中では,「診療報酬・介護報酬改定を粛々と行うべき」などの意見が多くを占める一方,「例年の改定作業から立ち止まり,診療報酬改定の在り方を考え直す時期ではないか」「日医の改定見送りの方針は理解する」などの意見も出された.鈴木常任理事は,今回の震災の混乱に乗じ,新自由主義的医療改革を推進する動きがあることに危機感を示し,新自由主義的医療改革への対応が話し合われた.
 高齢化社会にふさわしい医療保険制度については,世代間格差を是正するため高齢者医療制度と他の医療保険制度を切り離して議論するべきでないことや,医療と介護の連携などについて意見が述べられた.
 第二分科会(勤務医・地域医療)では,勤務医の抱える諸問題(女性医師支援問題)と在宅医療推進に向けた取り組みについて協議された.女性医師支援については,アンケート調査に基づき各府県での取り組みが紹介され,子育て支援,キャリアアップが重要であるとの考えで一致した.
 三上常任理事は,二〇〇八年に日医が行ったアンケート調査及び日医の取り組みを紹介し,今後も意識改革を進めていきたいとした.
 在宅医療推進については,医療機関と訪問看護,介護サービスとの連携などの取り組みが報告され,三上常任理事は,在宅での看取りを望んでいる国民は少なくないが,非がん患者の看取りについてはハードルが高く,制度を十分に考える必要があるとした.
 また,「前回の診療報酬改定で,医療と介護の連携を評価する点数が多く設定されたが,ほとんど利用されておらず,介護保険についての理解が十分ではないと考えられるので,今後,更なる啓発が必要である」と述べた.
 第三分科会(医療安全・自浄作用)では,その取り組みについて意見を交換.医療安全推進方策のうち,医療従事者向け研修内容や啓発策,地域住民を交えた意見交換の模様などが紹介された.
 また,府県や保健所等が設置する医療安全支援センターと医師会との連携も話題となった.自浄作用活性化への取り組みでは,卒前卒後教育にとどまらない研修の拡充などが提案され,滋賀県からは草津栗東医師会が作成した自己評価チェック表が示された.
 高杉常任理事は日医の取り組みを振り返り,医師の職業倫理指針に基づく各地での実践に期待を寄せた.更に「医療安全を文化に」として,事故後対応のみでなくスタッフを含めた平時からの医療安全講習の受講を求めた他,日医医療事故調査検討委員会の答申骨子を紹介.医療側から医療安全を提示し再教育の徹底など自浄作用体制を構築したいとした.最後に折田雄一座長(滋賀県医師会参与)より,会員が医師の自律に反した際の規範策定が日医に要請された.

東日本大震災の対応について協議

平成23年度近畿医師会連合定時委員総会/「東日本大震災からの復興,国民皆保険制度の堅持」等について決議を採択(写真) 午後からは,笠原孝近畿医師会連合委員長(滋賀県医師会長)の発案により,東日本大震災への対応について協議の場が設けられた.
 各府県から,震災発生からこれまでのJMAT等の活動に関する報告が行われた.震災直後の現地では,指揮系統が混乱していた状況などが報告され,各府県と医師会とで震災時の取り決めなどを交わしておくことなどが,今後の課題として指摘された.
 つづいて行われた,委員総会では,笠原連合委員長のあいさつの後,「平成二十二年度近畿医師会連合歳入歳出決算に関し承認を求める件」等の議案三件を審議し,了承された.その後,東日本大震災からの復興,国民皆保険制度の堅持,患者自己負担軽減などを趣旨とする決議(別掲)を採択.また,次期主務地医師会を奈良県医師会とすることを決定した.
 特別講演では,「医療界を取り巻く諸問題について」として,原中会長が講演した.
 原中会長は,国民皆保険制度を堅持するための雇用環境の是正,超高齢社会を見据えた社会保障全体の長期ビジョンなどを解説するとともに,次期診療報酬・介護報酬の同時改定について日医が厚生労働大臣に申し入れを行ったことを説明.さらに,中医協で被災地の状況を理解したうえで議論して欲しいとの思いから,中医協会長宛てに,中医協の各委員が被災地を視察するよう要請したことなどを報告した.
 原中会長は,今回の一連の行動に対して,「我々は,国民や会員にとって不利になることは決して行っていない.信頼して欲しい」と理解を求めた.

平成23年度近畿医師会連合定時委員総会/「東日本大震災からの復興,国民皆保険制度の堅持」等について決議を採択(表)

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