日医ニュース
日医ニュース目次 第1202号(平成23年10月5日)

第7回国民医療推進協議会総会
受診時定額負担の導入等阻止のため,国民運動を実施へ

 第7回国民医療推進協議会(会長:原中勝征日本医師会長)総会が9月23日,日医会館で開催された.当日は,日医から,受診時定額負担の導入や医療への株式会社の参入を阻止するため,「日本の医療を守るための国民運動」を展開していくことを提案し,全会一致で了承された.

第7回国民医療推進協議会総会/受診時定額負担の導入等阻止のため,国民運動を実施へ(写真) 横倉義武副会長の司会で開会.会議の冒頭,あいさつした原中会長は,国民の側に立って,安心・安全な医療をいかに提供していくかを考えていくことが重要だとした上で,「我々専門家の意見を集約し,政府に届けたいと考えているので,本日は忌憚(きたん)のない意見を聞かせて欲しい」と述べた.
 議事に移り,横倉副会長が本総会開催の趣旨を,「東日本大震災からの復興も道半ばという状況にある中で,国から提案される政策は国民に負担を求めるものばかりとなっている.この危機的状況を国民に知ってもらうとともに,その政策に反対であることを明確に政府に伝えるため,総会を開催させていただいた」と説明した.
 引き続き,中川俊男副会長が,(一)受診時定額負担の問題点,(二)医療における規制制度改革とTPPの影響─について概説した.(一)の具体的な問題点を,同副会長は,(1)当初は百円であっても,その水準は引き上げられていく可能性がある(2)受診回数の多い高齢者や病気がちの方ほど,負担が大きくなる―ことであると指摘.更に,厚生労働省は,受診時定額負担の導入により,「受診時定額負担の負担金」「受診抑制による給付費の削減」という二つのことを狙っているとして,断固阻止しなければならないと訴えた.
 (二)については,最近の規制制度改革に関わる動きを説明した上で,「このままでは,所得によって受けられる医療に格差がある社会が生まれてしまう.全力を挙げて,国民皆保険制度を堅持していかなければならない」と述べた.
 つづいて,横倉副会長が,今回の国民運動の活動概要と決議(別掲)の内容を説明.具体的には,(一)国民集会「日本の医療を守るための総決起大会」を十二月九日に日医会館で開催し,決議を採択,(二)都道府県医療推進協議会に対して,以下の三つの事項((1)都道府県医療推進協議会主催の地域集会の開催・決議の採択(2)地方議会会期中の都道府県においては,地方議員・議会に対し,地方自治法第九十九条に則った意見書を国会等に提出するよう要望(3)国民集会への参加)を依頼,(三)全国各地からの決議文並びに国民集会の決議文をもって,政府関係各方面へ上申,(四)必要に応じて,署名運動の実施も検討―を考えているとした.
 協議では,今回の提案に対して,参加団体から,賛同の意見が相次ぎ,全会一致で了承された.また,国民運動を行うに当たって,その内容を国民により理解してもらうため,全国紙への意見広告の掲載やポスターの作成などが提案され,今後,具体化に向けた検討を行うことになった.

第7回国民医療推進協議会総会/受診時定額負担の導入等阻止のため,国民運動を実施へ(図)

このページのトップへ

日本医師会ホームページ http://www.med.or.jp/
Copyright (C) Japan Medical Association. All rights reserved.