日医ニュース
日医ニュース目次 第1208号(平成24年1月5日)

日本の医療を守るための総決起大会
「受診時定額負担導入反対」「TPP交渉からの公的医療保険の堅持」などを決議

 日本の医療を守るための総決起大会(主催:国民医療推進協議会,協力:東京都医師会)が昨年十二月九日,日医会館で開催された.
 当日は,約千名の参加者が集い,参加者全員の総意として,「受診時定額負担導入反対」「TPP交渉からの公的医療保険の堅持」を示す決議が採択された.

日本の医療を守るための総決起大会/「受診時定額負担導入反対」「TPP交渉からの公的医療保険の堅持」などを決議(写真) 本大会は,日本の医療を守るための国民運動の一環として,患者負担増を伴わない持続可能な社会保障体制の確立と国民皆保険の恒久的堅持を求める国民の声を政府に届けることを目的として開催されたものである.
 当日は,今村聡日医常任理事の司会で開会.最初に,国民医療推進協議会長である原中勝征日医会長が,主催者を代表してあいさつを行った.原中会長は,「平成十八年に,政府はこれ以上の負担は決して強いないと国民と約束し,患者の自己負担を三割に引き上げた.しかし,高額療養費の財源として,受診時定額負担の案を持ち出してきた.高額療養費の財源を患者のみから集めることは国民皆保険の理念から離れているとの認識を広めて欲しい」と呼び掛けた.更にTPPに関しては,「TPPは,あくまでも貿易の自由化が目的であり,経済の視点のみで国民皆保険を悪とみなす動きも予想される.我々は自分たちの利益のためではなく,国民の安心のため,世界一の国民皆保険の堅持を求めている」と述べた.
 続いて,野中博東京都医師会長があいさつに立ち,「国民皆保険の下では,国民が等しく医療を受ける権利がある.国民皆保険が出来る以前は,一家に病人が出れば,破産するか黙って死を待つしかなかった.アメリカのような弱者を切り捨てる制度ではなく,日本から国民皆保険を世界に広めていく必要がある.一致団結して臨みたい」と述べた.
 次に来賓として,鈴木克昌民主党筆頭副幹事長,下地幹郎国民新党幹事長,茂木敏充自民党政務調査会長,坂口力公明党副代表,阿部知子社民党政策審議会長からそれぞれあいさつが行われた.
 引き続き横倉義武日医副会長が,大会趣旨を説明.「東日本大震災が起こり,国民全体で支え合う気運が高まっている今こそ,国民皆保険の意義を示す時である.閣議報告された社会保障・税一体改革成案の中では,医療・介護に十分な人材を充てるべきと記載がある一方で,受診時定額負担の導入も記載されている.国民皆保険の理念から逸脱した制度を導入することは,国民皆保険崩壊への道を踏み出すことになる」と懸念を示した.また,「受診時定額負担に反対する署名運動」については,七百七十三万二千八百一人の署名を集め,衆・参両院議長に手渡したことを報告した.
 更に,大久保満男日本歯科医師会長,児玉孝日本薬剤師会長から決意表明が行われた.大久保日歯会長は,「日本の窓口負担三割は,社会保障の限度を超えている.更にそれ以上の負担を求めることは,医療従事者として耐えられない.TPP交渉の場で国民皆保険を崩そうという意見が他国から出たならば,政府関係者は毅然と対応し,それでも他国が強引に進めるのであれば,席を蹴って退出して欲しい」と述べた.児玉日薬会長は,「本大会の声が少しでも政府に,国民に届くことを望む.東日本大震災,デフレ,円高不況の中で,日本は『絆』という気持ちを忘れずに努力している.日本は貿易立国であるが,流通障壁を最小化し,医薬品アクセスの拡大を図るとの提言は薬価制度を壊すことにもなる.国民と共に最後まで闘う」と訴えた.
 その後,山崎學日本精神科病院協会長が本大会の決議案(別掲)を朗読.満場の拍手を持って,決議案は採択された.最後に,羽生田俊日医副会長の掛け声の下,参加者全員が起立して,「頑張ろうコール」を行い(写真),会は終了した.
 なお,当日は,本大会の趣旨に賛同する国会議員六十名(代理出席二十七名含む)の参加を得た.

決議

 このたびの東日本大震災は,未曾有の出来事であり,被災地の一日も早い復興を願うものである.
 このような時こそ,明日の安心を約束する持続可能な社会保障体制を守ることが必要である.
 今,患者にさらなる負担を求める受診時定額負担の導入を進める動きがある.
 また,TPP交渉のなかで,公的医療保険が対象となれば,医療の市場化を招く事態が強く懸念される.
 これらはいずれもわが国の優れた公的医療保険制度を崩壊へと導くものである.
 われわれは,だれもが等しく医療を受けられる国民皆保険を,これからも断固守り続けていく.

以上,決議する.

平成23年12月9日

日本の医療を守るための総決起大会

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