日医ニュース
日医ニュース目次 第1208号(平成24年1月5日)

社会保障審議会介護給付費分科会(11月24日,12月5日)
平成24年度介護報酬改定に関する審議報告まとまる

社会保障審議会介護給付費分科会(11月24日,12月5日)/平成24年度介護報酬改定に関する審議報告まとまる(写真) 社会保障審議会介護給付費分科会が昨年十一月二十四日,十二月五日の両日,都内で開催され,日医からは三上裕司常任理事が出席した.分科会では,「平成二十四年度介護報酬改定に関する審議報告(案)」を議題として,審議報告の取りまとめに向けた議論が行われた.
 審議報告案では,平成二十四年度介護報酬改定の基本的な考え方として,(一)地域包括ケアシステムの基盤強化,(二)医療と介護の役割分担・連携強化,(三)認知症にふさわしいサービスの提供,(四)質の高い介護サービスの確保―という基本的視点が必要とされている.
 また,各サービスの報酬・基準見直しの基本方向として,それぞれのサービス形態に合わせた評価方法等が示されており,今後への課題とした「認知症にふさわしいサービスの提供実現」「介護サービスの質の向上に向けた具体的な評価手法の確立」「ケアプランやケアマネジメントの評価・検証手法の検討」などについては,次回介護報酬改定までに着実に検討を進めるとしている.
 十一月二十四日の分科会では,厚生労働省事務局から示された審議報告案に対して,各委員から意見が述べられた.
 「介護職員の処遇改善」について,三上常任理事は,介護報酬での処遇改善には基本的に賛意を示したが,マイナス改定になるのであれば,交付金を存続するべきとした.更に,報告書案に「確実に処遇改善を担保するために加算を設けることはやむを得ない」と記載されたことに対して反対し,他の委員からも,「報酬の使い道を縛ることは国による賃金への介入である」「労使間交渉に委ねるべき」等の意見が述べられた.
 また,三上常任理事が,訪問系サービスの同一建物でのサービス提供の適正化を訴えたのに対しては,他の委員から,今後の検討課題としてはどうかとの意見があった.
 「居宅療養管理指導」では,「居住の場所別の評価に対して,医師の居宅療養管理指導は,医療保険の訪問診療で適正化されており必要ない」と主張.「介護職員によるたんの吸引等の実施」では,医行為であることから「適切なケアマネジメント」の必要性を訴え,「医師の個別指示との関係が分かるように書くべき」と述べた.
 その他に,療養通所介護の医療提供,短期入所生活介護の空床利用,特養の医師の具体的役割の明文化と外部医師による看取りなどについても,それぞれ意見を述べた.
 十二月五日の分科会では,二十四日の議論を踏まえて見直しを行った報告書案が示された.
 「介護職員の処遇改善」の処遇改善加算の創設に関しては,「必要な対応を講ずることはやむを得ない」「介護職員処遇改善交付金相当分を介護報酬に円滑に移行するために,例外的かつ経過的な取り扱いとして設ける」と修文された.
 「集合住宅における訪問系サービスの提供の在り方」では,今後の課題として,「適切に実態把握を行い,必要に応じて適宜見直しを行う」と加筆されたことに対し,三上常任理事は,「適宜見直し」とは次期介護報酬改定を待たずに行われるのかどうか,また,訪問系サービスにおけるサービス付高齢者向け住宅等の集合住宅と同一建物に併設する事業所の「併設」の定義について質問し,厚労省事務局から,「現段階で併設とは,構造上,外形上一体的なものを想定している.実態をフォローしつつ見直す必要があれば,次期報酬改定を待たず見直すこともある」との回答を得た.

たんの吸引は利用者と実施職員をそれぞれ個別指示に

 「介護職員によるたんの吸引等の実施」では,医師の指示の下での介護職員と看護職員の情報共有の必要性が加筆された.三上常任理事は,医師の指示について,「安全性を担保する点から,利用者と実施する職員の両方に対する個別指示とすべきではないか」と提案し,他の委員からも賛同する意見が述べられた.
 当日は,各委員からの意見を踏まえ,分科会長と厚労省事務局により文言の修正が行われ,分科会として大筋で合意に至り,細部を修正した上で昨年十二月七日に公表された.
 次回は,介護報酬改定率等の決定後に開催となり,具体的な介護報酬見直しの議論が行われる予定.

このページのトップへ

日本医師会ホームページ http://www.med.or.jp/
Copyright (C) Japan Medical Association. All rights reserved.