日医ニュース
日医ニュース目次 第1218号(平成24年6月5日)

日本医師会役員就任披露パーティー
横倉会長「先達からの思いを受け継ぎ,日本の国民を守る」

 日本医師会役員就任披露パーティーが五月十五日,都内のホテルで開催され,第百二十六回日本医師会定例代議員会で選出された横倉執行部が初披露された.
 パーティーには,歴代の日医会長,与野党の国会議員を始め,約九百名の出席者が集まり,新執行部は祝福と激励を受けた.

日本医師会役員就任披露パーティー/横倉会長「先達からの思いを受け継ぎ,日本の国民を守る」(写真) 午後五時,新役員一同は盛大な拍手に迎えられて登壇し,羽生田俊副会長がパーティーの開会を宣言.あいさつに立った横倉義武会長は,同日に沖縄県で「沖縄復帰四十周年記念式典」が開催されるなど多忙の中,来場頂いた参会者に対して謝意を述べ,新執行部の決意を次のように述べた.
 「日医は一九二三年に創設されて以来,国民の健康を守る一身で,八十九年間,活動を続けてきた.先達からの日本の国民を守るとの思いを受け継ぎながら,しっかりと頑張っていきたい.今,日本の経済・政治の状況が不安定である中,政府は舵(かじ)取りに苦労している.社会保障の中心であるわが国の医療制度は,世界から素晴らしい制度として評価を受けているが,日本国内では,空気や水のように当たり前になってしまっている.しかし,これが崩れれば大変なことになる.われわれは,医療現場からのさまざまな意見を集めて政府に申し上げ,日本の国が更に素晴らしい国になるように,共に頑張っていく.皆様の期待を胸に受けながら,任期を全うしたい」

歴代日医会長からの激励

壇上に整列した新役員

 引き続き,司会者より新役員一人ずつ紹介が行われた後,歴代の日医会長が登壇し,新執行部を激励した.
 植松治雄第十六代会長は,「政治が混沌(こんとん)としている中で,国民の健康のために努力をしていかなければならない.これは,とても大変なことだと思っている.日医をおいて国民の健康と幸せを求め得る団体は他にないと信じている.執行部には,国民の期待を背に一層の努力をお願いしたい」とあいさつ.
 唐澤人第十七代会長は,「横倉新会長の力強いあいさつを聞き安心した.現在は大変厳しい時代であり,これを乗り越えていくためには,気概がなければならない」とした上で,全国の医師会,各関係団体,国会議員に対して,新執行部への支援と協力を求めた.
 原中勝征第十八代会長は,「新執行部が国民のため,会員のために働いて頂けることを期待している.今後も,国民と共にある医師会として,国民の健康,国民皆保険を維持し,守っていって欲しい」と述べた.
 また,坪井栄孝第十五代会長からは,「この度の日医役員の人事を拝見し,横倉会長の幅広い人材の登用に賛美とお祝いを申し上げる.新執行部が日本の医療のため,獅子奮迅の活躍をする中で,心の片隅に持っておいて欲しいのは,『医道士魂』という医師の倫理概念である.皆様の奮闘を切望している」旨のビデオメッセージが寄せられた.

来賓祝辞

 次に,来賓から祝辞が述べられた.
 最初に,長浜博行内閣官房副長官が登壇し,公務で欠席した野田佳彦内閣総理大臣のあいさつを代読.「昨年の東日本大震災発災以来,日医のリーダーシップの下,全国の医療関係者には被災地における救援復興活動にご尽力頂き,深い敬意を表するとともに,改めて御礼申し上げる.わが国は,国民皆保険の下,医師を始めとする医療従事者の献身的な努力に支えられ,国民が必要な時に医療機関を受診出来る仕組みがつくられている.近年の超高齢化などの諸問題に,社会保障・税一体改革を推進することで,わが国の医療制度を将来にわたり守る考えである.率直にご意見を頂くとともに,力添えを賜りたい」と述べ,改革推進への協力を求めた.
 続いて,小宮山洋子厚生労働大臣が登壇.小宮山大臣は,「横倉会長のあいさつにもあったように,日本では国民皆保険が当たり前のように思われているが,世界に認められるべき優れた制度である.日医が,国民の医療のために大きな役割を果たしていることに敬意を表している.超高齢社会の中,安心の医療が効果的・効率的に受けられるよう医療提供体制を改革していかなければならない.日医と意見交換をしながら取り組んでいきたい」と述べた.
 民主党を代表して樽床伸二幹事長代行は,「政権を日頃から支えて頂き感謝している.高齢化社会においては,多くの方の関心は,健康,医療に向く.医療費が増大することを認めながら,それを前提として,より良い医療費のあり方を求めていくべきと考えている.われわれは,政府を後押しし,叱咤(しった)激励しながら,共に歩んでいきたいと考えているので,今後ともご指導賜りたい」とあいさつ.
 自由民主党からは,石原伸晃幹事長があいさつに立ち,「横倉会長の『医師会が国民の命を守る』とのあいさつに感銘を受けた.地域医療が崩壊に瀕している.国公立病院は政府の後押しがあるが,民間病院は民間任せ,これでは地域医療問題は解決しない.われわれも,国民皆保険,地域医療の再生に全力で取り組んでまいるのでご支援賜りたい」と述べた.
 公明党副代表の坂口力氏は,「医療の世界は,だんだんと厳しさを増しており,難しい局面を迎えている.日本の医療をどう考えるか,共に考えていきたい」とした.
 続いて,久史麿日本医学会長が登壇.久医学会長は,「日医と日本医学会は車の両輪とよく言われるが,日医の学術の面を支えて,日医と共に,日本の医療の発展に努めていきたい」と述べた.
 その後,加藤寿彦日医代議員会議長,久野梧郎同副議長が登壇.加藤議長の音頭により乾杯が行われた.
 その後の歓談では,新執行部に対しての大きな期待から,会場は立錐の余地もないほどの盛況ぶりで,横倉会長の周囲は,激励の言葉を述べる来賓者であふれた.
 歓談の合間にも,自見庄三郎内閣府特命担当大臣(金融担当)・国民新党代表,古川元久内閣府特命担当大臣(経済財政政策・科学技術政策担当)など現役の閣僚や仙谷由人民主党政策調査会長代行等が次々に来場し,新執行部誕生を祝うあいさつを行った.
 午後七時,中川俊男副会長が,参会者に対して「皆様からの御慶の言葉に改めて,身の引き締まる思いでいる.日医は横倉会長を先頭に,地域の医療を守り,進化させていくことを皆様に約束し,閉会とする」と謝辞を述べ,パーティーは盛会裏に終了となった.

長浜博行内閣官房副長官   小宮山洋子厚生労働大臣
 

樽床伸二民主党幹事長代行   石原伸晃自由民主党幹事長
 

坂口力公明党副代表   加藤寿彦代議員会議長(右),
久野梧郎代議員会副議長(左)
 

    歴代の日医会長(左から植松治雄,
唐澤人,原中勝征各会長)
日本医師会役員就任披露パーティー/横倉会長「先達からの思いを受け継ぎ,日本の国民を守る」(写真)  

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