日医ニュース
日医ニュース目次 第1241号(平成25年5月20日)

日医定例記者会見

4月24日
母体保護法指定医師の指定基準モデルの改定について

日医定例記者会見/4月24日/母体保護法指定医師の指定基準モデルの改定について(写真) 今村定臣常任理事は,日医の「母体保護法等に関する検討委員会」(委員長:福田稠熊本県医師会長)より提示のあった「母体保護法指定医師の指定基準モデル」改定案を,日医として承認したことを報告した.
 同常任理事は,まず,今回の改定に至った経緯について,平成二十三年六月に施行された「母体保護法の一部を改正する法律」が議論される過程で,一部地域で医師会非会員である医師の母体保護法指定医師の申請が,円滑に受理されない事例があったことに触れ,今後,同様の事例が発生すれば,医師会という民間法人による指定の是非が問われることへの懸念があったと説明した.
 今回の改定のポイントについては,以下の六点を挙げた.
 (一)都道府県医師会母体保護法指定医師審査委員会の役割を明確化した.
 (二)技能要件として,「研修期間中に三十例以上の人工妊娠中絶手術または流産手術(うち流産手術は半数以下)の実地指導を受けること」としていたものを,地域の実情を勘案し,二十例以上とした.
 (三)指定・更新のための研修会の形式等は地域の裁量に委ねられてきたが,精神保健福祉法に基づく指定医の研修に一定の基準が示されていること等を考慮し,新たに「母体保護法指定医師研修会」の受講を要件として追加した.
 (四)本指定医師研修会は,更新研修も兼ねることが出来ることとし,指定医師として習得すべきカリキュラムとして,(1)生命倫理に関するもの(2)母体保護法の趣旨と適正な運用に関するもの(3)医療安全・救急処置に関するもの─を明示した.
 (五)これまで,申請の際の要件とされていた「郡市区医師会長の意見書」の添付について,地域の事例や,独占禁止法の規定等に鑑み,「郡市区医師会長の意見書」部分を削除し,直接都道府県医師会長宛てに申請することも可能とした.
 (六)研修機関の条件に,緊急手術への対応を加えた上で,いわゆるグループ指定を認める措置を講じることとした.
 その上で,同常任理事は,今後について,「都道府県医師会及び都道府県産婦人科医会による母体保護法の更なる公平・公正な運用が求められるようになることから,各地域においては,今回の指定基準モデルを,その地域の実情・特性に応じて,適切に運用してもらいたい」と述べた.

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