 |
第1244号(平成25年7月5日) |
第4回日本糖尿病対策推進会議総会
糖尿病治療における地域連携の先駆的取り組みなどを報告

第四回日本糖尿病対策推進会議総会が六月七日,日医会館大講堂で開催された.
冒頭,厚生労働大臣(代理:矢島鉄也健康局長)からの来賓あいさつの後,日本糖尿病対策推進会議会長としてあいさつした横倉義武会長は,「糖尿病を始めとする生活習慣病の罹患(りかん)者は増加の一途をたどっており,その対策は国民の健康の維持・増進という視点からも重点的に実施すべき課題である」と強調.地域住民への啓発・教育,そして早期からの医療介入が重要であるとして,地域の糖尿病対策推進会議の更なる働きに期待を寄せた.
続いて,道永麻里常任理事(同会議常任幹事)が構成団体及び役員を紹介した.同会議は,日医,日本糖尿病学会,日本糖尿病協会,日本歯科医師会を幹事団体として,現在,健康保険組合連合会,国民健康保険中央会,日本腎臓学会,日本眼科医会,日本看護協会,日本病態栄養学会,健康・体力づくり事業財団,日本健康運動指導士会,日本糖尿病教育・看護学会の構成団体など,計十三団体により構成されている.
また,同常任理事は,「都道府県糖尿病対策推進会議活動に関する調査結果」の報告に続き,厚労省で平成二十三,二十四年度に予算化されていた「糖尿病疾病管理強化対策事業費」の継続を要望していることを説明した.
「糖尿病治療における歯科医師連携」では,佐藤保日歯常務理事が糖尿病と歯周病との関係について説明.糖尿病患者は体の抵抗力が落ち,唾液(だえき)の分泌量も減るため歯周病になりやすく,歯周病が進んで歯を失うと食べられるものが制限されることから糖尿病治療の基本である適切な食事が難しくなるとし,医科歯科連携の重要性を強調した.
「糖尿病に関する尿中アルブミン実態調査報告」では,鈴木芳樹新潟大学保健管理センター教授・所長が,日本糖尿病対策推進会議で,平成二十二年十一月から平成二十三年一月に実施した調査結果(一万四千九百七十一症例)として,担当医別(糖尿病専門医・非専門医)の尿中アルブミンの実施率や,腎症病期における血圧との関係,治療目標値の達成率などについて解析した結果を報告した.
「DREAMSプランとHbA1c国際標準化」では,植木浩二郎日本糖尿病学会理事が,HbA1cの国際標準化に向け,JDS値からNGSP値への切り替えが進められていることを報告.糖尿病治療の目標値は患者ごとに設定すべきだとした上で,合併症を予防するための血糖コントロールの目標値を「七・〇%未満」としたことについて,医療従事者や患者の理解を求めたいとした.
熊本県と和歌山市が取り組み事例を紹介
熊本県の事例報告では,古川昇熊本大学大学院生命科学研究部附属臨床医学教育研究センター准教授が,研修会を受講した医師を熊本県糖尿病対策推進会議が「連携医」として認定する連携医制度を紹介.連携医が地域の糖尿病診療の窓口として,専門医療機関との紹介・逆紹介の連携システムの下,糖尿病患者の治療や管理に当たっているとした.また,患者には糖尿病地域連携パス「DM熊友(ゆうゆう)パス」を携帯してもらい,治療への意識向上につなげていると説明した.
和歌山市の事例報告では,田中章慈和歌山市医師会長が,ITを活用したサイバーパス「糖尿病地域連携クリニカルパス」を紹介した.サイバーパスはインターネットのクラウド方式で運用され,専門医と連携先のかかりつけ医が,サーバーから患者の日常診療情報を更新することで互いに情報を共有しているため,診療工程や役割分担が明確になり,二人主治医制が整うとした.
その後は,フロアと発表者との間で質疑応答が行われ,今村聡副会長の総括により会議は終了となった.
当日はテレビ会議での参加医師会も含め,約二百三十名の出席者であった.
|
日本糖尿病対策推進会議とは
糖尿病の発症予防,合併症防止等の糖尿病対策をより一層推進し,国民の健康の増進と福祉の向上を図ることを目的として,平成17年2月に設立された組織.平成22年2月には組織の改編を行い,さまざまな団体がより柔軟に参加,協力出来る新たな体制で幅広く活動している.現在の会長は,日医の横倉義武会長が務めている.
|
|