日医ニュース
日医ニュース目次 第1271号(平成26年8月20日)

勤務医のひろば

全国各医師会役員(理事)に「勤務医枠」「女性医師枠」を
岡山県医師会副会長・前日医勤務医委員会委員 清水信義
 

 六月二十八日に開催された第百三十二回日本医師会定例代議員会で新たに「勤務医枠」と「女性医師枠」の理事が選出された.これは横倉義武会長の英断によるものであるが,画期的なことである.日医の代議員は開業医が大部分を占め,選挙による理事の選出では勤務医が理事に選出される可能性はほとんどなく,従って日医の理事は,殊に常任理事においては専ら開業医が選出されてきた.今後もこのことは続くと思われるが,今回はブロックごとに選出される理事の定員を二名増やし「勤務医枠と女性医師枠」が創設され,投票による選挙はなかったが,それぞれの理事が「枠」として選ばれた.
 このことは全国の医師会の役員選出を考える上では,極めて大きな意味合いを持つ.まず,日医なども進めている二〇二〇三〇運動(指導的地位に占める女性の割合を二〇二〇年までに三〇%程度にする)も現在の状況ではまずその目標達成は無理と考えられている.しかし,今回の日医の決定を全国の医師会が重く受け止め,医師会役員(理事)などに三〇%以上の「女性医師枠」を設定することでその目標の達成が見えてくるのではないかと思われる.
 そして,勤務医についても各医師会に一定の枠を設け,勤務医の医師会活動を活発にすれば,勤務医の入会促進にもつながる.日本の医師数は約三十万人であるが,現在の日医の会員は十六万人余りで,そのうち勤務医は約八万人である.すなわち,約十四万人の医師は日医会員としては組織化されておらず,大部分が勤務医や研究者等と思われる.全医師を代表することを目標とする日医であれば,地方の医師会にもその規模に応じて,勤務医,女性医師,大学医師会,研究者などの枠を設けることを指導し,全分野の医師を組織化することで名実共に全医師を代表する組織となることを目指すべきと思うが,いかがであろうか.

このページのトップへ

日本医師会ホームページ http://www.med.or.jp/
Copyright (C) Japan Medical Association. All rights reserved.