日医ニュース
日医ニュース目次 第1281号(平成27年1月20日)

勤務医のひろば

勤務医部会─秋田県の場合
医療法人久盛会 秋田緑ヶ丘病院統括顧問/秋田県医師会副会長 坂本哲也

 医師会の仕事をするようになり九年が経過したが,当初から勤務医・男女共同参画に関わってきた.両者の環境整備の重要性は当時も今も変わらないが,意識はかなり変化してきたように思う.
 秋田県医師会勤務医委員会が五年ごとに行っているアンケート調査では,以前は給料への不満や新規医療機器への渇望などが多かったが,それらは軒並み減少し,代わってクラークの増員要望や定年後の就職斡旋(あっせん)などが高位を占めるようになった.
 また,地域医療崩壊の主因は医師不足によるとして,医師会に早急に動くよう強く要望されるようになった.
 高齢化・少子化の最前線に立たされている当県だが,ご多分にもれず医師数不足・診療科偏在に悩まされている.県庁所在地以外の全ての医療圏での開業医減少は,学校医・警察医・検診医などの不足を招来している.その分,それら圏域の中核病院の勤務医には負担を強いていることになる.
 地域医療の充実のためにも,勤務医の地位向上・環境整備の充実が必要と考えている.
 これまで勤務医委員会はそれなりに活動してきたが,委員会はある役目を持った人達がその目的のために集まり,議論し,行動する場であり,その関係する職種の人達が集い,議論し,行動する場が部会だとすれば,部会が必要であるとの意見が少なからずみられるようになった.
 二年間の検討を経て,平成二十六年九月の理事会で承認され,本年七月には設立総会を開催する予定である.
 勤務医の情報共有化と発信力の更なる増強を目指し,一人でも多くの勤務医に秋田県医師会に参集してもらうことこそ,地域医療再生への道である.
 十月二十四日(土)には,全国医師会勤務医部会連絡協議会を秋田の地で開催予定だが,「日本の国情からみた理想的な勤務医とその将来像─地域医療充実へのロードマップ─」とのテーマの下,プログラムを策定中である.

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