たばこの煙には、本人が吸う「主流煙」と、たばこの先から立ちのぼる「副流煙」とがあります
(図1)
。煙には多くの有害物質が含まれていますが、その量は主流煙よりも副流煙のほうに、数倍から数十倍も多いことがわかっています。
この副流煙を、自分の意思とは無関係に吸い込んでしまうことを「受動喫煙」と呼んでいます。こうした“好まない喫煙”によって病気にかかる危険度は、肺がんでたばこの害を受けない人の1.19倍、心臓病で1.25倍にも高まります
(図2)
。
たばこの健康被害は、決して吸う人だけの問題ではないのです。
図1
たばこの主流煙と副流煙
妊娠中の喫煙が早産や流産、死産などの原因となることは広く知られていますが、喫煙する母親の赤ちゃんは、たばこを吸わない母親から生まれた赤ちゃんに比べて、生まれたときの身長・体重がともに劣っています
(図3)
。
こうした赤ちゃんは、生まれてからも発育が遅れたり、気管支喘息や気管支炎などの病気にかかりやすくなったりするほか、乳幼児突然死症候群の危険度が5倍近くにもなるという研究報告もあります。
母親がたばこを吸わなくても、近くに喫煙者がいれば、赤ちゃんは胎内にいるときから「受動喫煙」の影響を受けることになります。日本医師会では、あらゆる受動喫煙から非喫煙者を守る活動を続けていきます。
図2
受動喫煙によって高まる病気の
死亡率
出典/米国環境保護庁1998年、
チューレーン大学Jiang Heらによる
調査1999年
図3
母親の喫煙と赤ちゃんの身長・体重との関係
資料/厚生労働省2002年