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かっこいいお医者さん


加藤 彩芽(11歳)兵庫県神戸市・小学6年

「ここが頭ですよ。」

 お医者さんが教えてくれました。その日は、寒い寒い冬休みでした。私はお母さんの妊婦検診にドキドキしながらついて行きました。ちょうど妊娠六ケ月ぐらいの時でした。

 私と弟が産まれた「N医療センター」に着くと、まず機械に診察券を入れて番号札をもらっていました。それから、いすにすわって待っていると、

「29番、30番の方は血圧を計って、処置室にお入り下さい。」
と放送が流れました。尿検査と体重を測るそうです。お母さんは30番だったので、少しの間一人で待っていました。よく見ると周りにたく山の妊婦さんがいます。なかには、お腹が大きくて苦しそうな人やまだ赤ちゃんがいるように見えない人もいます。こんなに、たく山の赤ちゃんが産まれると思うとお医者さんや助産師さんは大変だと思いました。

 しばらくすると、お母さんがもどって来てもう一度いすにすわって待ちました。なかなか名前が呼ばれません。先生もたく山のかん者さんを見て疲れたりしないのかなぁと思いました。

「加藤さーん。」

とやっと大きな声でお母さんが呼ばれました。中に入ると女の先生は忙しいはずなのに、

「お待たせしてすいません。」
と言って前の人のカルテをまだ書いていました。そして終わったらお母さんのカルテを取り出して確認すると、さっさと超音波をしに行ってしまいました。目の前でものすごくてきぱきと動く先生がかっこよく見えました。私は、お母さんによく、

「早くしなさい。」

と言われるので、見習いたいです。そう思っているうちにモニターに超音波が映し出されました。始めは超音波の見方がわからなかったけど先生がていねいに説明してくれました。

「ほら、ここに足があるよ。今グーッと伸ばしているねー。お手々がおでこの上に乗っているよ。分かる?」

 モニターの中で動く赤ちゃんに私の目はくぎづけになりました。だって本当に動いているんだもの…。こんなに小さくてかわいい赤ちゃんに早く会いたい気持ちでいっぱいになりました。先生はもう一度説明しながら超音波の写真を私に渡してくれました。そして、

「悪いけど外で待っててくれる?」
と言われました。私は、お母さんと一緒に外に出ようと思っていたのにどうしてかなぁと思いました。しばらくするとお母さんがしょんぼりした顔で出て来ました。私が、

「どうしたん?」

と聞くと、お母さんは、

「切迫早産になってん。」

と答えてくれました。先生は私にその事を言ったら心配すると思って外で待っててねと言ったのかなぁと後から思いました。お医者さんの仕事は、かん者の家族の事まで気を配らないといけないんだなぁと思いました。

 年も明けて月日がたちました。それにつれてお母さんのお腹もどんどん大きくなりました。切迫早産と言われた、お母さんも薬と安静のおかげでよくなりました。検診も二週間に一回から一週間に一回に増えました。予定日を過ぎてしまった二〇一一年五月十日も朝検診に行っていました。その時、先生に、

「もういつ産まれても大丈夫ですよ。赤ちゃんも準備OKですよ。今日ぐらい産まれるかな?」

と言われたそうです。その先生が言った通りその日の夜赤ちゃんが産まれました。その時赤ちゃんを取りあげてくれた先生は朝の検診をしてくれた先生と一緒でした。赤ちゃんが産まれたのは夜の十一時九分です。という事は朝の検診から夜遅くまで働いている事になります。長時間働き続けるのはとても集中力がいります。私だったら一日中勉強し続けたり、遊び続けたりするのは疲れます。先生は朝一番のかん者さんから最後のかん者さんまでていねいに診察しています。お母さんは、安心して診察も出産も出来たと言っていました。

 次の日の夕方、みんなで赤ちゃんとお母さんに会いに病院に行きました。新生児室にはかわいい赤ちゃん達が泣いていたり、ねんねしたりしていました。助産師さんと看護師さんは、赤ちゃんのおむつを替えてあげたり、だっこしてあやしてあげたりしています。かわいいけれど赤ちゃんは夜も起きているのでこの仕事も又大変だと思いました。

 私の夢は、産婦人科のお医者さんになることです。とても大変な仕事だけど、今回出会った先生のようにどんな時もていねいに、かん者さんが安心して診察を受ける事ができるようなお医者さんになりたいと思いました。いや、絶対になります。