指導:東京慈恵会医科大学外科教授

   青木 照明

50歳ごろを境に
 人間の骨格は20歳代までに完成しますが、成長期にカルシウムやたんぱく質をたくさんとることと、十分に運動をすることによって丈夫な骨ができあがります。女性では閉経期以後(およそ50歳以後)急速に骨量が減少し、骨粗鬆症にかかりやすくなります。男性でも50歳代を過ぎるころから、骨量が徐々に減少してきます。

「骨量」とは?
 食べ物から吸収された血液中のカルシウムの99%は骨に取り込まれ、リン酸と結びついてヒドロキシアパタイトとなり、コラーゲンとともに骨をつくっていきます。骨を建造物(ビル)とすると、線維状のたんぱく質であるコラーゲンは鉄骨、ヒドロキシアパタイトはコンクリートにたとえられます。
 そのヒドロキシアパタイトの密度が骨量で、骨塩量、骨密度という言葉もほぼ同じ意味で使われています。基準となる骨量の数値は年齢別に決まっていますので、骨量を測ることによって、骨粗鬆症や骨折などの予防に役立てることができます。

骨量の測り方
 骨量の測定法にはX線写真による方法、X線写真をコンピューターで処理する方法、X線の吸収を利用する方法、超音波法などがあり、いずれも簡単に測れます。
 女性の場合は30歳代、40歳代になったときに1回、閉経後には年1回、男性では50歳代以後に1回、あとは数年に1回くらいを目安に定期的に測ると安心です。
 最近、整形外科、内科、婦人科、放射線科、あるいは保健所、保険センターなど骨量を測れる施設が増えています。ぜひ測ってみてください。

 

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