白クマ
日医白クマ通信 No.1017
2008年10月2日(火)


定例記者会見
「麻生総理大臣の所信表明および各党の代表質問に現時点の見解を示す」

中川俊男常任理事


 中川俊男常任理事は、10月1日の記者会見で、麻生太郎総理大臣の所信表明演説ならびに、会見当日に行われた代表質問を受けて、コメントを発表した。

 麻生総理大臣は、9月29日の所信表明演説で、「救急医療のたらい回し、産科や小児科の医師不足、妊婦や出産費用の不安」等に対して「1日も早く解消するよう努める」と述べ、さらに、10月1日の自由民主党からの「社会保障費の年2,200億円の抑制」に関する代表質問に対して、「最終的には財源も勘案の上、予算編成過程で決める」と答弁した。それに対して中川常任理事は、「日医は、社会保障費の年2,200億円抑制の撤廃を求めてきたところである。来年度予算において撤廃されるよう、あらためて要望するとともに、麻生総理がその旨判断されるよう強く期待したい」と述べた。さらに、「8月の閣議了解で、社会保障費の抑制が明記されたにも関わらず、あえて今回『予算編成で決める』との発言があった。抑制撤廃が強く期待できる」と加えた。

 つづいて、後期高齢者医療制度(長寿医療制度)について、麻生総理、舛添要一厚生労働大臣双方の答弁において、「1年を目途に見直しを検討」するとの発言があったことに対して、同常任理事は、「日医は、高齢者に安心して、より手厚い医療を受けていただけるよう、保障の理念の下での医療制度の必要性を主張してきたところであり、これも踏まえた見直しを強く期待する」と述べた。

 また、同常任理事は、民主党・無所属クラブの代表質問について、「医療崩壊の現実を緊急課題と捉える認識が薄く、政策実施の第1段階(平成21(2009)年度)において、医療制度改革が『一部実施』とされたことは残念であった」と述べた。後期高齢者医療制度についても、単に廃止とされ、対案が示されなかったことに対して、「いたずらに国民の不安、現場の混乱を増大させるのではないかと懸念される」と発言した。

 そのほか、同常任理事は、特別会計の積立金や剰余金、消費税収などに関する発言に対しても、各党のマニフェストの詳細が明らかになっていないため、「現時点の発言に対する日医の見解」と前置きしながら考えを示した。

◆問い合わせ先:日本医師会総合医療政策課 TEL:03-3946-2121(代)

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