白クマ
日医白クマ通信 No.1086
2009年1月16日(金)


第4回医療政策会議
「医療改革」読売新聞の提言について講演

医療政策会議


 第4回医療政策会議(議長・田中滋慶大大学院教授)が、1月14日、日医会館で開催され、読売新聞東京本社編集局医療情報部長の田中秀一氏が、「信頼できる医療体制の確立へ―『医療改革』読売新聞の提言―」と題して、講演を行った。

 まず、田中氏は、昨年10月16日に読売新聞朝刊に掲載した医療改革への提言の概要を紹介。同提言は、「緊急対策5項目((1)医師不足解消:若手医師の計画配置、(2)受け入れ不能防止:開業医の病院救急への積極参加、(3)病院勤務医:激務に見合う給与引き上げ、(4)高齢者ケア:介護の職員・施設に手厚い支援、(5)社会保障費:抑制一本やりの転換)」と、「構造改革5本の柱((1)医師を増やし、偏在をなくす、(2)医療機関の役割分担と連携強化、(3)医療の質を高め、安全性を確保、(4)高齢者医療を介護と一体で充実、(5)給付と負担の新ルールをつくる)」からなっている。

 同氏は医師不足の原因について、「新医師臨床研修制度はきっかけにすぎず、真の理由は『少ない医師、多い病院』や、医師業務の拡大・変容、患者の権利意識の高まりである」との見方を示し、医師養成数を医学部定員の2割増程度にするのが妥当だとした。

 また、医師の計画配置については、診療科、地域ごとに定員を定め、医局に代わる配置機関として、自治体、医師会、大学病院、基幹病院などが参加する第三者機関を設けることを提言した。

 救急医療対策については、救急患者の受け入れが困難になっている実例を挙げながら、開業医が病院救急に積極参加することと、24時間体制のERを全国に整備することを2本柱に掲げ、地元の医師会の協力も必要だとした。保険免責については提言に盛り込まれていないが、時間外加算金のある救急病院では、軽症者の時間外受診が大幅に減っていることなどを報告した。

 医療費については、対GDP比を見ると国際的にも少ないとの認識を示したうえで、社会保障費抑制政策を転換させるべく、診療報酬を引き上げ、2,200億円の削減を撤廃すべきだと強調。さらに消費税にも言及し、社会保障目的税として2011年度までに10%に引き上げる(生活必需品は5%の軽減税率)ことを提言した。

◆問い合わせ先:日本医師会総合医療政策課 TEL:03-3946-2121(代)

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