白クマ
日医白クマ通信 No.1283
2010年6月2日(水)


日本医師会・四病院団体協議会懇談会
「病院連絡協議会の設置などについて意見交換」

日本医師会・四病院団体協議会懇談会


 日本医師会・四病院団体協議会懇談会が5月26日、日医会館で開催された。

 日医からは、原中勝征会長、横倉義武・羽生田俊・中川俊男各副会長、三上裕司・石井正三・今村聡・葉梨之紀・高杉敬久・石川広己・藤川謙二・鈴木邦彦各常任理事が、日本病院会からは、堺常雄会長、今泉暢登志・高橋正彦・末永裕之・相澤孝夫・梶原優・大道道大各副会長が、全日本病院協会からは、猪口雄二・神野正博両副会長が、日本医療法人協会からは、日野頌三会長、加納繁照・関健両副会長が、日本精神科病院協会からは、山崎學会長、河建人・冨松愈両副会長がそれぞれ出席した。

 原中会長は、「将来に亘って国民皆保険制度を守り、医療制度が間違った方向に行かないようにするためには、今、行動しなければ間に合わない。社会保障とはセーフティネットの構築であり、医療費全体が増えていかない限り高齢者の医療費等を賄いきれないという現状をきちんと認識した上で、医療費の増加が必要であることを政府に訴えていかなくてはならない。そのために、皆様からの意見をまとめて政府に届けることが日医の役割と考えている。ぜひいろいろな意見を聞かせていただきたい」とあいさつした。また、メディカルスクールについては、私見としながらも、明確に反対を唱えた。

 当日は、まず、2件の報告事項、(1)厚生労働省「必要医師数実態調査」、(2)四病協 メディカルスクール検討委員会再開─について説明がなされた。

 (1)については、鈴木常任理事より、厚労省から「必要医師数実態調査」を行いたいとの申し入れがあり、日医との話合いの中で改善や修正を加えた上で実施されることになったとの説明がなされた。

 (2)については、日精協の山崎会長から報告があり、メディカルスクールについては、誤解や反対意見があることも承知しているが、四病協としては、「優れた臨床医を養成する教育制度として考えている」と述べ、理解を求めた。

 協議事項は、(1)病院連絡協議会、(2)特定看護師(仮称)、(3)医療ツーリズムと混合診療、(4)医療法上の医師配置標準問題(平成22年度の立入検査通知を踏まえて)、(5)今年度の開催日程・開催形式─についてを予定していたが、時間の関係で、(1)と (4) (5)のみの協議となった。

 (1)については、原中会長から、「医療に関しての根源的な問題を話し合う場として、また、四病協以外の病院団体も含めた意見を取りまとめ、医療側の総意として政府に届け、それを実現させるために、病院連絡協議会を作りたいと考えている」との提案説明がなされた。これに対して四病協からは、「総論部分の説明としては納得できる」、「日本の医療のパワーが集結されていない事実がある」といった意見のほか、「11の病院団体が加盟している日本病院団体協議会との整合性はどうしていくのか」といった意見が出された。

 中川副会長は、「日医は、すべての医師が個人で加入する唯一の団体であり、その組織の長である原中会長は、すべての医師を代表し、政府に真正面からものを言う責務があると考えている。先を見据え、日医と病院団体が統一見解・方向で進むことが大事なので、日医に力を結集すべく協力いただきたい」と述べた。この件については、引き続き協議することとなった。

 (4)では、三上常任理事が、非常勤医師等の取扱いについて、資料に沿って解説した。

 また、本懇談会は、これまで2カ月に一度開催されていたが、今年度は、毎月開催することで合意した。

◆問い合わせ先:日本医師会地域医療第一課 TEL:03-3946-2121(代)


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