白クマ
日医白クマ通信 No.1375
2011年1月20日(木)


定例記者会見
「医師養成についての日医の提案を公表」
―中川副会長

定例記者会見


 中川俊男副会長は1月19日の定例記者会見で、医師養成についての日医の提案として、日医の医学部教育と初期臨床研修制度の改革案を公表した。

 日医では、これまでのグランドデザイン、医師の臨床研修についての検討委員会(プロジェクト)報告や日医総研の調査などを通じて、医師養成についての検討を行ってきたが、今回の改革案は、これらの検討の経緯、社会情勢の変化等を踏まえて、取りまとめられたものである。

 まず、医学部教育に関しては1〜4年生の一般教養を見直して医学教養とし、医師としての資質の涵養に必要な教養課程を重視するとしている。また、医学部教育モデル・コア・カリキュラムや大学独自のカリキュラムを尊重しつつ、1年生から臨床医学の履修を積極的に取り入れ、介護や福祉との連携も視野に入れた演習、見学実習、ボランティア活動等を実施。おおむね4年生の終了時には、CBT(Computer Based Testing、医学的知識を問う試験)、OSCE(Objective Structured Clinical Examination、客観的臨床能力試験)、面接試験からなる「臨床実習資格試験(仮称)」を課し、すべてに合格した者には、国家資格としての「臨床実習免許(仮称)」を授与することを提案している。

 さらに、5〜6年生では、法的整備を行って、参加型の臨床実習を実現するとともに、卒業試験及び医師国家試験については臨床実習の成果を問う問題に絞り込み、医師国家試験対策の負担を軽減して、臨床実習を活性化するとしている。

 初期臨床研修制度に関しては、プライマリ・ケア能力の獲得に一定の目途をつけることを目指して、1年目に内科、救急医療、地域医療(小児医療、高齢者医療を含む)、精神科(認知症対策、うつ病対策など)を必修とし、約1年間研修する。さらに、2年目には、将来専門としたい診療科のプライマリ・ケアを中心に研修を行うこととし、初期臨床研修修了者を、日本医師会認定「一般臨床医(仮称)」として認定するとした。

 研修体制に関しては、都道府県ごとに、都道府県医師会、行政、住民代表、大学(医学部及び附属病院)、大学以外の臨床研修病院からなる「医師研修機構(仮称)」を設置することを提案。機構には、「各都道府県下の単年度の初期臨床研修医数が、おおむね当該都道府県の医学部卒業生数に一致するような調整」「初期臨床研修医の需要に対して医学部が少ない都道府県から研修医派遣の要請を受けた場合の大学病院等と調整」などの運営機能を持たせるとしている。さらに、各大学には「臨床研修センター(仮称)」を設置し、医学部卒業生はセンターを軸として、原則出身大学がある都道府県で研修するとした。

 同副会長は、今回の改革案について、「医師は、地域の大学を中心に8年かけて育てる」という基本理念の下に取りまとめたものであると説明したうえで、この案が実現すれば、医師が地域に根付き、医師偏在解消の糸口になると強調。今後は、都道府県医師会を始め、病院団体、全国医学部長病院長会議等からも意見を聞いたうえで、今年度内にはグランドデザインとしての成案を取りまとめたいとした。

 なお、改革案の詳細については、日医ホームページに掲載されている定例会見資料を参照されたい。

◆問い合わせ先:日本医師会総合医療政策課 TEL:03-3946-2121(代)
◇関連資料はこちら⇒PDF(325KB)※第2版(4/20)に更新


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